住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

団地リノベーションの失敗を防ぐには?メリットデメリットや注意点を解説

団地リノベーションの失敗を防ぐには?メリットデメリットや注意点を解説

住宅のトレンドの一つが、中古住宅のリノベーション。そのなかでも手頃な価格で購入できる「団地」が注目を集めています。新しいマンションにはない、ゆったりとした敷地や活発なコミュニティが大きな魅力。団地特有の間取りや設備も、リノベーションで現代風に変えることができます。今回は団地暮らしのメリットやデメリット、そしてリノベーションに失敗しないための団地の選び方など詳しく解説していきます。

こんな方におすすめの記事です
  • 団地リノベーションに興味がある方
  • 団地リノベーションを失敗しない方法を知りたい方
  • 団地リノベーションで費用を抑えるコツを知りたい方

■団地リノベーションとは

団地リノベーションとは

団地とは広々とした敷地内に、いくつかの建物がある集合住宅。一般的には経済成長期に建てられた公営住宅やUR賃貸住宅、分譲団地などを指すことが多いでしょう。

戦後は都市部に人口が集中したため、とくにファミリー層の受け皿としてたくさんの団地が建設されました。ある程度の築年数が経っており、新しいマンションに比べて手頃な価格で手に入るのが魅力です。

当時の団地は部屋数が重視されており、床面積40〜50㎡で3LDKなどの細かく仕切られた間取りが中心でした。しかし最近は広いLDKのある、オープンな間取りが人気ですよね。そこで間取りや設備を現代風に一新させる、団地リノベーションが注目されています。

リノベーションは、リフォームよりも大規模な工事を指すのが一般的。間取りや内装を大胆に変えたり、最新の設備を入れたりして、団地に新しい価値をプラスします。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションの費用相場は?

団地リノベーションの費用相場

・フルリノベーション

全体的に古く、間取りや設備をがらっと変えたい場合は、フルリノベーションがおすすめ。間仕切り壁や設備などを撤去して、スケルトン状態から自由にお部屋をつくります。住まい全体をフルリノベーションする場合、広さによって費用相場が変わります。

団地の広さ フルリノベーションの費用相場
単身者向け(40㎡)約400〜800万円
DINKS向け(60㎡)約700〜1,100万円
ファミリー向け(80㎡)約900〜1,300万円

・部分リノベーション

リノベーションの内容部分リノベーションの費用相場
和室→洋室への変更約20〜100万円
壁紙の張り替え約3〜7万円
フローリングの張り替え約10〜15万円
間仕切りの新設約8〜25万円

・水回りリノベーション

快適に生活するには、キッチン・浴室・トイレ・洗面所といった水回りの使いやすさが重要です。水回りの不具合があったり、カビや汚れが気になったりする場合は、優先的にリノベーションするとよいでしょう。水回り設備のグレードによって費用が大きく変わりますが、一般的な費用相場は次のとおりです。

リノベーションの内容水回りリノベーションの費用相場
システムキッチン交換+レイアウト変更約150万円〜
システムバスの交換約60〜120万円
トイレ交換+内装リフォーム約25〜100万円
洗面所交換+内装リフォーム約25〜50万円

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションで失敗する理由は?

団地リノベーションで失敗する理由

新築や築浅のマンションよりも安い価格で購入できる団地。しかしなかには「イメージしていたリノベーションが叶わなかった」「劣化がひどくて想像以上にリノベーション費用がかさんだ」などの失敗例もあります。

団地リノベーションに失敗する理由の一つが、物件選びの失敗。マンションや戸建て住宅でも同じことがいえますが、団地にも「リノベーションしやすい物件/しにくい物件」があります。リノベーションしやすい団地を見極めて購入しないと、失敗につながりやすいでしょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションでの失敗を防ぐためにできること

団地リノベーションの失敗を防ぐには、次の3つのポイントに気をつけて物件選びをしましょう。

・事前の間取り変更確認

多くの団地は「壁式構造」で建てられています。ラーメン構造に比べて撤去できない耐力壁が多く、間取り変更の障壁になることもあるでしょう。浴室がコンクリート躯体で囲まれていたり、キッチンの排水勾配がとれなかったりと、水回りの移動に制約が出ることもあります。

リノベーション前提で団地を購入するなら、希望の間取りが実現できるか必ず確認を。もし壊せない壁があっても、工夫しだいで壁を活かしたプランニングをすることもできます。また構造だけでなく、管理規約上の制約がないかなどリノベーション業者にチェックしてもらいましょう。

・電気やガスの容量制限

最近のマンションは40〜60Aの電気容量が主流ですが、古い団地では30Aほどの契約になっていることも。たくさんの電気を一度に使うとブレーカーが落ちるため、IHクッキングヒーターや床暖房を取り入れるのが難しいケースがあります。

同じようにガスについても容量の制限があります。給湯器の号数を上げたいのに、容量オーバーでNGというケースも。電気やガスの容量制限は、事前に管理規約を確認するとともに、管理組合に問い合わせておきましょう。

・団地設備の確認

給排水管が劣化したまま放っておくと、水漏れや水質劣化などのトラブルにつながりかねません。全面リノベーションをするときは、古くなった配管を交換するのに絶好のタイミング。床を剥がして水回り設備を新しくするのと同時に配管交換すれば、無駄な手間や費用がかからないでしょう。

また古い団地では、瞬間湯沸かし器やバランス釜など、古い設備がそのまま使われていることも。変更できるかどうか、事前に管理組合に確認しておきましょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションのメリット

団地リノベーションのメリット

団地リノベーションには次のようなメリットがあります。

・メリット①費用を抑えられる

団地リノベーションのメリットは、なんといっても費用が手頃なこと。周辺の新しいマンションに比べて、手頃な価格で購入できます。物件費用+リノベーション費用のトータルで考えても、新築や築浅マンションを購入するより安いでしょう。

団地が安い理由は「築年数が経っている」「エレベーターがない」「間取りや内装が古い」などさまざま。しかし間取りや内装は、リノベーションで一新することができます。なるべく手頃な価格で理想のマイホームがほしいという方に、団地リノベーションはぴったりです。

・メリット②建物構造が丈夫

団地は鉄筋コンクリート造で、とても頑丈です。引っ張り力に強い「鉄筋」と、圧縮力に強い「コンクリート」を組み合わせて、両者の短所を補い合っています。また多くの団地は「壁式構造」で、面で支えているのも丈夫な理由の一つです。

建物構造は団地によって違うので、不動産会社やリノベーション会社に聞いてみるのがおすすめ。昭和56年以前に建てられた団地でも、耐震基準適合証明書がとれれば、住宅ローン控除や減税などのメリットを受けられます。

・メリット③コミュニティが存在する

たくさんの世帯が集まっている団地。物件によっては、住民同士のコミュニケーションが盛んに行われています。普段から住民同士のつながりがあれば、災害時や防犯面でも支え合えるでしょう。

また団地はもともと昭和のファミリー層のためにつくられた集合住宅なので、子育てしやすい環境が整っているのも魅力。広い敷地内に公園や広場を備えた団地もあり、大人の目が届く場所で子どもたちを遊ばせやすいでしょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションのデメリットや注意点

団地リノベーションのデメリットや注意点

一方で、団地リノベーションには次のようなデメリットや注意点もあります。

・デメリット①共用部分のリノベーション可否

団地のリノベーションで注意しておきたいのが、専有部分と共用部分の区別です。

専有部分:躯体より内側で、自由にリノベーションできる部分
共用部分:区分所有者全員の所有物で、自由にリノベーションできない部分(躯体・共用廊下・階段・ベランダ・玄関ドア・屋外に面した窓など)

専有部分は管理規約に違反しなければ、自由に変更できます。壁紙を張り替えたり、間取りを変えたりするのも、基本的には自由です。

しかし共用部分は団地の住民みんなの持ち物なので、原則として好きに変えることができません。ただし「玄関ドアの外側は変えられないが、内側を塗装するのはOK」「窓サッシは変えられないが、内窓設置はOK」など団地によってルールはさまざま。リノベーションの可否について、しっかり確認しておきましょう。

・デメリット②間取りの変更可否

先ほども触れたように、団地の間取り変更には制限がでてくることもあります。一般的にはラーメン構造よりも、壁式構造のほうが制限を受けるケースが多いです。

また水回りを移動するなら、床下の配管スペースにも注意。床下に十分なスペースがないと、水が流れるのに十分な勾配をとることができません。新しい物件では床スラブとフローリングの間に空間がある「二重床」が多いのですが、古い物件だと床スラブにフローリングが直張りされた「直床」になっていることも。直床だと水回りの移動がしにくくなります。

しかし壁式構造や直床などの制約があっても、工夫しだいでカバーできることはあります。そのため団地の施工に慣れたリノベーション会社に依頼することが大切です。

・デメリット③エレベーターの有無

古い団地では、エレベーターがついていないことも。エレベーターがないと物件購入費用は下がりますが、引っ越し費用は高めになる可能性があります。また階段の広さによっては、大型の家具や家電が搬入できないこともあります。

また階段の上り下りは、高齢者や持病のある方、妊婦さん、小さな子どもには負担。買い物の荷物が多いときや、赤ちゃんを抱っこしているときなど、元気な方でも不便さを感じることはあるでしょう。

・デメリット④エリアの治安

団地は徒歩圏内に商店街や学校などの施設がそろっていることも多く、便利な周辺環境も魅力の一つです。ただし団地が整備されてから数十年たち、住民の高齢化や空き家問題などさまざまな課題を抱えた地域も。せっかく団地を購入するなら、活気があって治安のよい街なのか、実際に足を運んで確かめるのがおすすめです。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■団地リノベーションの費用を抑えるコツ

団地リノベーションの費用を抑えるコツ

いざリノベーションを検討しはじめると、どんどん要望がでてきて費用が膨らんでしまうこともあります。ここからは団地リノベーションの費用を抑えるコツをご紹介します。

・リノベーション内容に優先度を設ける

予算内で満足度の高いリノベーションをするには、優先的に手を入れるべき部分を把握することが大切です。特に優先度が高いのは、激しく傷んでいる部分。水回りや給排水管など、傷んだまま放っておくと大きなトラブルにつながるケースもあるので気をつけましょう。

家族全員が使い勝手の悪さを感じている部分も、優先的にリノベーションすると満足度が高まります。「キッチンは必ずリノベーションしたい」「来客が多いのでリビングやトイレはきれいにしたい」など家族で話し合ってみましょう。

・補助金の利用を検討する

リノベーションの内容によっては、補助金が活用できるケースもあります。対象になりやすいのは「省エネ・バリアフリー・耐震」などに関わる工事です。使える補助金は住んでいる地域や時期によっても異なるので、リノベーション会社や自治体に尋ねてみるとよいでしょう。

関連記事/マンションリフォームの補助金・助成金制度について紹介!| マイリノジャーナル

・税金の控除を検討する

リノベーションを実施することで、支払う税金が抑えられることもあります。例えば「リフォーム促進減税」という制度があり、リノベーション費用のうち一定額が所得税から控除されます。住宅ローンを組んでリノベーションする場合は、「住宅ローン減税」の対象です。そのほかにも贈与税の非課税措置や、固定資産税の減額が受けられるケースもあります。

関連記事/リフォーム減税制度の対象とは?控除額や条件、申請手続きについて解説

・団地の施工に慣れた業者を選ぶ

ここまで触れてきたとおり、団地ならではの構造や管理規約で、リノベーションに制限が生じることがあります。経験の少ない業者に依頼すると、希望の間取りや内装が叶えられなかったり、費用がかさんだりすることも。団地の施工に慣れたリノベーション会社に依頼すると、少ない費用で要望を叶えられるアイデアやプランを提案してもらえるでしょう。

理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」

詳しくはこちら>>
お探しの情報が見つかります

■まとめ

ゆったりとした敷地で、のびのびと暮らせる団地。細切れな間取りだったり、古い設備や内装だったりすることもありますが、リノベーションで今のライフスタイルに合わせた自分好みの住まいに変えることも可能です。リノベーションしやすい団地を選ぶためにも、費用を抑えながら満足度の高い施工をするためにも、団地に詳しいリノベーション会社をパートナーとして選びましょう。

編集者: 村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

お探しの情報が見つかります