「中古マンションをリノベーションする」というと、築年数の経過した物件をリノベーションすることがイメージされるかもしれません。しかし、あえて築浅マンションをリノベーションするという選択肢もあります。
今回はマンションの築古物件と築浅物件の違いや築浅マンションをリノベーションするメリットなどについて紹介していきます。
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築浅リノベーションとは、築年数の浅い物件をリノベーションすることをいいます。築浅には明確な定義はなく、築5年程度までの物件を指すことが多いですが、築10年以内の物件とする考え方もあります。
築浅リノベーションは老朽化した内装や設備を一新する目的よりも、間取りやデザインが好みや暮らしに合わないという物足りなさを解消する目的で行われることが多いです。既存の内装や建具、設備などでそのまま使えるところは残しながら、リノベーションで嗜好やライフスタイルに合った住まいへと変えていきます。
また、築浅物件は断熱性能や省エネ性能、防音性能などが高い物件が多いのが特徴。築浅マンションは床下や天井裏の空間にゆとりがあって配管を動かしやすいなど、リノベーションしやすい物件が目立ちます。
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詳しくはこちら>>リノベーションを前提に中古物件を購入する場合、築浅物件と築古物件では違いがあります。
1つ目の違いは資産価値や売買価格で、築浅物件は中古物件の中では割高で、築古物件は価格が下落していて資産価値が下がりにくいという特徴があります。2つ目の違いは耐震基準。築古物件の中でも1981年5月までに建築確認を受けた建物は旧耐震に当たり、新耐震による基準を満たしていない可能性があります。3つ目の違いは再利用できる部材などの有無。築浅物件は状態や好みにもよりますが、既存の建具や一部の設備などをそのまま活用できることがあります。
築浅物件は築古物件よりも購入価格は高くなりますが、リノベーション費用を抑えられる可能性があります。
これらの築浅物件と築古物件の違いについて詳しくみていきます。
築浅物件と築古物件はどちらも中古物件ですが、売買価格の水準は大きく異なります。築浅物件は新築時の価格からの下落幅が少なく、中古物件の中では比較的価格が高い傾向があります。立地条件や周辺環境、広さが類似する物件と比較すると、築年数が少ないほど、売買価格が高いのが一般的です。
一方、築古物件は新築時よりも大きく価格が下落していますが、築20年を過ぎると価格の下落が落ち着いてくるため、資産価値が維持されやすくなるのが特徴です。
建築基準法による耐震基準は1981年6月1日を境に大きく変更されました。1981年5月31日までの建築確認を受けた建物は「旧耐震」、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物には「新耐震」と呼ばれる耐震基準が適用されています。
建物が着工・竣工した時点ではなく、着工前の建築確認を受けた日によって耐震基準が異なる点という点に注意が必要です。
築古物件の中でも、1980年代中頃までに建てられた建物は旧耐震が適用され、新耐震による基準を満たしていない可能性があります。耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を実施している物件を除くと、耐震性に不安があります。
築古物件は老朽化が目立つため、リノベーションで真新しい状態にするには内装や設備などを一新して、フルリノベーションするのが一般的です。配管が老朽化している場合には、壁の内部の配管の交換も行います。
一方、築浅物件のリノベーションでは、建具や使用感が感じられにくい設備はそのまま活かしたり、内装材を貼り替えない箇所があったりするなど、一部を再利用することが多いです。そのため、築古物件よりもリノベーション費用を抑えられることがあります。
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詳しくはこちら>>築浅リノベーションは、築浅物件はフルリノベーションしやすいように作られている物件が多いことから、自由度の高いリノベーションができることがメリットです。築浅リノベーションでは、水回りの移動がしやすく、天井材とコンクリートスラブの間のスペースにゆとりがあれば、天井高を上げることもできます。また、築浅物件は断熱性能が高く省エネ性能に優れている物件が多く、断熱リフォームに費用をかける必要がないこともメリットに挙げられます。
築浅物件は長期にわたって建物を快適に活用していくために、メンテナンスや間取りの変更などのリノベーションがしやすいように作られている物件が多く、フルリノベーションをしやすいというメリットがあります。
また、築古物件では配管が古く、配管の交換をしなければならないこともありますが、築浅物件であれば、基本的にそのまま使えます。築浅リノベーションは、既存のものを活かしてコストを抑えながらフルリノベーションをすることができます。
*フルリノベーション/ワンストップリノベーションとは?
フルリノベーションとは、住まい全体をリノベーションすることをいいます。フルリノベーションの中でもスケルトンリノベーションは、間仕切り壁や内装や設備、配管や配線などをすべて撤去し、躯体の状態まで解体して行うリノベーションです。
また、ワンストップリノベーションとは物件探しから資金計画、リノベーションプランの設計・施工までを一貫して提供するサービスをいいます。
築浅物件の中でも、間取り変更を伴うリノベーションがしやすいのは、二重天井・二重床の物件です。天井や床下の空間に配管や配線のためのスペースが確保されています。
水回りの移動を伴うリノベーションは、コンクリートスラブと床の間の高さにゆとりがあり、排水管の勾配が確保できる場合に可能です。コンクリートスラブと床の間が狭い場合には、水回りの移動に制約があります。築古物件で排水管が階下の天井裏を通っているケースでは、排水管を移動できないため、水回りの移動が困難です。
築古物件は断熱性能が十分ではなく、そのままの状態では冬は寒く結露が気になることから、快適に暮らすには断熱リフォームが必要になることがあります。
一方、築浅物件は断熱性能が高く断熱リフォームにコストを掛けずに済み、省エネ性能が高いことから、光熱費のランニングコストも抑えられます。築浅物件は通常、外部と接する壁には断熱材が施工してあり、サッシにはLow-E複層ガラスなどのペアガラスが取り付けられているのが一般的です。
マンションの天井は直天井と二重天井に分けられますが、築浅物件は二重天井が多く、天井高を調整しやすいこともメリットです。直天井はコンクリートスラブにそのままクロスなどの仕上げ材を貼った天井です。これに対して二重天井は、コンクリートスラブに木材や軽量鉄骨材による下地材を吊り下げ、天井材としてプラスターボードを取り付けてクロスなどで仕上げています。
二重天井は天井材とコンクリートスラブの間に配管や配線のためのスペースがあり、支障のない範囲内で高さを狭めて、天井高を上げることができます。
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詳しくはこちら>>築浅リノベーションは築浅物件の購入費用が高いことから、大規模なフルリノベーションをすると、トータル費用が高くなってしまいやすいことがデメリットです。築浅リノベーションは新築物件を購入する場合と同程度、あるいはそれを上回る費用がかかることもあります。
そのため、フルリノベーションを想定して築浅物件を購入したとしても、トータル費用が予算をオーバーしてしまう場合には、部分リノベーションに変更せざるを得なくなることも考えられます。築浅リノベーションは、コスト面から間取りを大きく変えるようなリノベーションがしにくいことも、デメリットといえます。
築浅リノベーションでコストを予算内に抑えるには、既存のものを再利用しながら、いかに好みやライフスタイルにあった住まいに変えるかといった点がポイントになります。物件探しの段階から、物件の購入費用とリノベーション費用を合わせたトータル費用を意識しておくことが大切です。
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詳しくはこちら>>新築マンションや中古マンションの中でも築浅マンションは人気があります。築浅マンションは、室内の状態によっては少しだけ手を加えて住むという選択肢もありますが、あえてフルリノベーションを行うことで、何か不満のある部分を変えて、理想の住まいを実現することができます。
新築マンションは基本的に決められた間取りや仕様で販売されているため、マンションでこだわりの住まいを実現するには、リノベーションを行う以外の選択肢はほぼありません。
築浅リノベーションは、既存のもので使えるものは活かしながら、こだわりの空間に変えられることが魅力です。
築浅リノベーションで理想住まいを実現したグローバルベイスの事例を紹介します。
1つ目の事例は厳密にいうと築浅リノベーションではなく、新築リノベーションです。
間取りはほとんど変えていませんが、施主は仕事部屋にこもることがあるため、開放感が得られるように、リビングダイニングと仕事部屋として使う部屋の間に大きな室内窓を設置。廊下側にも室内窓を設けられ、明るい光が差し込む空間となりました。
ドアや床材なども変更し、各部屋にアクセントクロスを取り入れるなど、ディテールにまでこだわった理想の住まいを実現。一方で、水回りなどの設備は既存のものを使用することで、リノベーション費用を抑えています。
2つ目は2014年に建てられたマンションを築浅リノベーションした事例です。新築マンションも検討されていましたが、夫婦でイメージする住まいを手に入れるため、中古マンションのリノベーションを選択しました。
リノベーションで間取りを2LDKから1LDKに変更。寝室とリビングの間には室内窓を設け、寝室には建具を設けずにロールスクリーンで仕切っているため、ワンルームともいえます。
外国製のエスプレッソマシンに合う、木の温もりあふれるカフェ風のデザインの住まいを実現。構造上撤去できない柱に取り付けられた時計が、フォーカルポイントになっています。
バルコニー側の突き出た形状の部分にはインナーテラスが設けられました。
3つ目は2013年に建てられたマンションを築浅リノベーションした事例です。3LDKからご夫婦それぞれの趣味のための部屋のある2LDKに間取り変更しています。
リビングはお手持ちのキャビネットに合わせて、クラシックスタイルの空間にリノベーション。小さい方のキャビネットの上には人形を飾るためのニッチが設けられています。アクセントクロスやモールディングにより、アンティーク家具に合う華やかで格式ある雰囲気が演出されています。
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詳しくはこちら>>築浅マンションは天井や床などの構造からリノベーションがしやすいことが多く、水回りの移動を含めた間取り変更を行えるなど、自由度の高いリノベーションができるというメリットがあります。
また、築浅マンションは断熱性能が高く、省エネ性能に優れていることから、断熱リフォームが基本的に不要で、光熱費のランニングコストを抑えて、快適な暮らしを送れることも魅力です。
ただし、築浅マンションは中古物件の中では売買価格が割高なため、築浅リノベーションは新築マンションを購入するよりも、高くなることがあります。とはいえ、内装や設備、建具などの状態によっては、既存のものを活かしながらリノベーションすることで費用を抑えられます。
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詳しくはこちら>>中古物件を購入してリノベーションする場合には、物件の購入費用とリノベーション費用の予算配分が重要です。築浅物件は中古物件の中では高めのため、物件の購入費用にお金をかけ過ぎると、リノベーション費用があまり残らなくなってしまうことが懸念されます。
グローバルベイスでは、物件探しから資金計画、リノベーションプランの設計・施工までのサービスをワンストップで提供することが可能。リノベーション費用を踏まえた物件探しを行い、理想の住まいを手に入れるお手伝いをします。