家全体の古さが気になる、内装から水回りまでガラッと変えたい…そんなときに検討されるのがフルリフォーム(全面リフォーム)です。リフォーム内容が広範囲にわたるため、どのくらいの費用がかかるのか心配される方も多いかもしれません。そこで今回はマンションや戸建て住宅をフルリフォームされる際の費用相場を、築年数や床面積ごとにまとめました。フルリフォームの定義や施工事例もご紹介しますので参考にされてください。
理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
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フルリフォーム(全面リフォーム)とは、家全体に手を加える大規模なリフォーム工事のこと。水回り設備を交換したり、壁や床などの内装を新しくしたりと、リフォーム箇所は多岐にわたります。「トイレを交換するだけ、壁紙を張り替えるだけ」のような部分リフォームとは違って、「リビングもキッチンもトイレも・・・」と全体的にリフォームするのが特徴です。内装や設備をバラバラにリフォームするよりも、まとめてリフォームするほうが費用もお得になります。
フルリフォームとリノベーションは、どちらも大規模な工事を指すことが多く、この2つに明確な線引きがあるわけではありません。ただし一般的にリフォームとは老朽化した部分を修繕する工事のことを指し、目的は元の状態に戻すことです。一方、リノベーションは家を大きく作りかえて、新築時よりも付加価値をつけるような工事を指します。
リフォーム(Reform)=マイナスをゼロに戻す原状回復的な工事
リノベーション(Renovation)=プラスアルファで機能や価値を高める工事
そのためフルリフォームは、家全体の古くなった水回りや内装をキレイにするような工事が中心。リノベーションでは間取り変更などを含めて、より大掛かりな工事をされることが多いです。
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詳しくはこちら>>リフォームやリノベーションには「原状回復・現状改善」という主に2つの目的があります。目的によって行われる工事内容が変わってくるので、建物の状態や生活スタイルによって決めていただくとよいでしょう。
家を長年使っていると、壁紙や床材は傷や変色が気になり、水回り設備は汚れがとれにくく不具合もでてきます。外壁や屋根も経年とともに劣化して、放っておくと雨漏りや腐食の原因に。そのまま使い続けるわけにはいかないので、10年おきくらいに原状回復リフォームをするのが一般的です。壁紙や床材を張り替えて、不具合のでているキッチンやトイレは交換。外壁や屋根は塗装や補修などのメンテナンスが行われます。あくまでも劣化や不具合を直すのが目的なので、間取りやサイズなどを大胆に変えることはありません。
年数がたつと建物が古くなるだけでなく、家族構成やライフスタイルが変わって使いにくくなる部分もでてくるでしょう。たとえば昔のキッチンは壁付けや独立型が多かったのですが、最近はリビングと一体化したオープンなキッチンが人気ですよね。そのような不満を解消し、もっと使いやすく素敵にしようというのが現状改善的なリフォームです。単に内装や設備を交換するだけでなく、キッチンの向きを変えたり、リビングを広くしたりと、大掛かりな工事を加えることもあります。手すり設置や段差解消などのバリアフリー化で、老後の生活に備えるケースも多いでしょう。
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詳しくはこちら>>築年数 | フルリフォームの費用相場 | リフォーム内容の例 |
築20年 | 約500万円 | ・水回り設備の交換 ・壁紙や床材の張り替え ・屋根や外壁の塗装 |
築30年 | 約1,000万円 | ・スケルトンリフォーム ・配管の更新 ・外装リフォーム |
築40年〜 | 約1,500万円 | ・スケルトンリフォーム ・外装リフォーム ・耐震リフォーム ・断熱リフォーム |
築10年くらいまでは、部分的なリフォームですむケースがほとんど。しかし築15〜20年くらいになるとトイレ・システムキッチン・ユニットバスなどの水回り設備が耐用年数をむかえるため、全体的なリフォームをされるケースが増えてきます。壁紙や床材も汚れや変色が目立ってくるので、新しくされるとよいでしょう。戸建て住宅の場合、屋根や外壁の再塗装も必要です。
築30年をすぎると、見えないところにある給排水管も劣化してきて、水漏れやサビなどのリスクが増えます。床や壁などすべて解体して躯体のみの状態にするスケルトンリフォームで、排水管にも手を加えるとよいでしょう。古い間取りは現代の生活に合わないことも多いため、間取り変更を検討されるのもおすすめです。戸建て住宅の場合、外装は塗り替えですむケースもあれば、屋根や外壁が耐用年数をむかえて交換が必要なケースもあります。
築40年をすぎた古い物件は、いたるところに本格的な傷みが見られます。もしこれまで大掛かりなリフォームが行われていなければ、外装から内装まで手を入れるスケルトンリフォームがおすすめです。戸建て住宅の場合、耐震性や断熱性もアップしておくと安心して暮らせます。
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詳しくはこちら>>単身者向け (40㎡) | DINKS向け (60㎡) | ファミリー向け (80㎡) | ファミリー向け・広め (100㎡) | |
マンション | 400〜800万円 | 700〜1,100万円 | 900〜1,300万円 | 1,000〜1,600万円 |
戸建て住宅 | ー | 1,000〜1,400万円 | 1,200〜1,600万円 | 1,300〜1,800万円 |
床面積によっても費用は変わってきます。同じ床面積でも工事費に幅があるのは、使用する部材や設備のグレードによっても値段が異なるためです。またマンションでは専有部分のみの工事ですが、戸建て住宅では外壁や屋根の補修も必要になるため費用が高めになります。
フルリフォームの工事費のなかで大きな割合を占めるのが、ユニットバスやキッチンなどの設備。しかし床面積が2倍になったからといって、浴室やキッチンの数が2つや3つと増えることはあまりありませんよね。そのため費用は床面積に正比例するのではなく、床面積が広くなるほど工事費の増加は緩やかになります。ただし単身者向けのワンルームや1Kなどのマンションでは、コンパクトで安価な設備が選ばれることも多いため、フルリフォーム費用の相場も安めです。
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詳しくはこちら>>フルリフォームとフルリノベーションに明確な定義はありません。ここでは、フルリフォームは間取り変更を伴わない、フルリノベーションは間取り変更を伴うケースとしました。
マンションのフルリフォームを行うには設計期間1~2ヶ月程度、工事期間が1ヶ月程度、合わせて2ヶ月~3ヶ月程度の期間が目安となります。ユニットバスの交換で補修が必要になった場合などに工期が伸びることがあります。
マンションでリフォーム工事を行うには管理組合へ届出を行い、承認を得る必要があります。管理組合の承認を得るまでの期間によっては工事に着工できるまでの期間が左右されるため、事前に確認しておきましょう。
マンションのフルリノベーションにかかる期間は設計期間2~3ヶ月、工事期間は2ヶ月半~6ヶ月程度、合わせて4.5ヶ月~9ヶ月程度の期間が目安です。
間取り変更を伴うフルリノベーションの方が、打ち合わせを行って設計プランを確定するまでに時間がかかります。また、間取り変更を行うと壁の撤去や設置、水回り設備の配管や電気配線の変更などの工事が発生します。複雑な工事を伴うフルリノベーションほど工事期間を長くみておく必要があります。
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詳しくはこちら>>マンションのフルリフォームやフルリノベーションは家族構成やライフスタイルに合わせて、間取りを大きく変更できることがメリットです。コンクリートの躯体の状態まで解体するスケルトンリノベーションであれば、間取りをイチから考えていくことができます。
新築マンションは間取りが決められていて、多くの人に好まれるオーソドックスなものが中心です。理想の間取りに変えられるのはフルリフォームやフルリノベーションならではの醍醐味です。
新築マンションでは仕様も決められていて、内装を選べる場合もいくつかのカラーパターンからの選択というケースがほとんどです。また、オプションで設置できるものも決められた範囲のものというケースが目立ちます。
フルリフォームやフルリノベーションをすれば、好きなデザインの内装にすることができます。また、キッチンや洗面台、ユニットバス、トイレなどの水回り設備も、機能性に富んだ最新のものなどを取り入れることが可能です。
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詳しくはこちら>>マンションのフルリフォームやフルリノベーションは、時間やお金がかかることがデメリットです。住んでいるマンションを工事する場合には仮住まいが必要となることが多いです。中古物件を購入してフルリフォームやフルリノベーションを行う場合には、すぐに住むことができず、家賃やローンを二重に負担する期間が生じることがあります。
また、フルリフォームやフルリノベーションは自由度が高いため、内装や水回り設備などにこだわるほど、費用がアップしてしまいやすいため、予算と折り合いをつけることが必要です。
築年数が経過した古いマンションを中心に、着工してから追加の工事費が発生する可能性があることもデメリットに挙げられます。たとえば工事を行う過程で、配管や下地が傷んでいることが判明した場合には、補修費用や交換費用が追加で発生することがあります。
ただし、築年数から想定できるトラブルもあります。古い物件では、あらかじめ配管の交換をプランに含めておくことが望ましいです。また、見積もりの段階で追加費用の発生の可能性有無や費用感などについて確認しておきましょう。
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詳しくはこちら>>マンションをフルリフォームやフルリノベーションで、依頼先を決めるときやプランの検討段階のポイントをまとめました。
広さや予算などの問題から、希望することすべてをフルリフォームやフルリノベーションで叶えるのは難しいケースが少なくありません。たとえば、広いLDKや寝室が欲しくても、どちらかを優先しなければいけないといったケースが考えられます。また、家族の間で意見が異なり、対立する部分が生じるケースもあります。しかし、そういった状況では打ち合わせが進みにくく、設計期間が長引いてしまいがちです。
そこで、希望することに優先順位をつけて、譲れる点と譲れない点を明確にしておくことがポイント。家族それぞれが重視したい点が反映された住まいが実現できれば、実際に住んだ後の満足度が高くなります。
壁紙やフローリングなどの内装材やキッチン、ユニットバス、トイレといった水回り設備を選ぶときに、すべてのアイテムをグレードの高いもので揃えようとすると、簡単に予算をオーバーしてしまうことがあります。
とはいえ、予算内で納めるためにすべてのアイテムのグレードを落としたのでは、理想の住まいからかけ離れてしまいやすいです。
そこで、優先順位の話とも重なりますが、メリハリのある予算配分をしていくことがポイントです。たとえば、「キッチンは憧れのものを入れたいから、ユニットバスには低価格帯のものから選ぶ」といった形です。
最近では、建材メーカーや住宅設備機器のカタログをインターネットで簡単に見ることができます。しかし、写真と実物では色味が多かれ少なかれ異なることがほとんどでアリ、テクスチャーまではわかりません。
また、サンプルで確認した場合も、小さいサンプルは色が濃く見えやすいため、実際のものとは色味が違って見えることがあります。
そのため、できるだけ大きなサンプルで確認をするか、ショールームに足を運んで実物で確認するようにしましょう。キッチンやユニットバスも、ショールームに実物の展示や大きい面材のサンプルの用意があります。
フルリフォームやフルリノベーションはどこに頼んでも同じではありません。会社によって得意とする領域には違いがあり、デザインの傾向も異なります。また、フルリフォームやフルリノベーションといった大掛かりな工事は、実績のある会社に頼むと安心です。
そこで、フルリフォームやフルリノベーションの依頼先を検討する際には、ホームページなどで施工事例を確認して、テイストやプランが好みに合うか確認しましょう。
また、引き渡しまでの間、あるいはその後のアフターメンテナンスを含め、長いお付き合いになるため、担当者との相性も重視したいポイントです。
フルリフォームやフルリノベーションにかかる費用は、設計費用や工事費用だけではありません。仮住まいが必要になる場合には、2回分の引っ越し費用や家賃のほか、賃貸住宅を借りるケースでは、仲介手数料や敷金、礼金などの初期費用も発生します。あるいは工事期間中に一部の荷物を預ける場合には、トランクルームの費用がかかります。また、家具やカーテン、家電などの買い替え費用も必要に応じてみておくべきです。
想定外の出費に備えるためにも手元のお金をすべて使いきるのではなく、ゆとりのある資金計画を立てるようにしましょう。
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詳しくはこちら>>では実際におしゃれな住まいを叶えたフルリフォーム事例を見ていきましょう。まずは間取りの変更は小さくとどめて、内装や設備の変更を中心に行った事例からご紹介します。
まずは平成10年に建築された2LDKの中古マンションをフルリフォームした事例です。日本の住宅はどちらかというと「手軽に壊して建て直す」という文化ですが、海外には「古い建物もていねいに手直ししながら何世代にもわたって住み続ける」という文化があります。ヨーロッパなどにいくと、石でできた重厚な家が建ち並んでいたり、おしゃれなヴィンテージ家具をうまくコーディネートしていたりしますよね。
こちらの物件を初めて見た時、既存の土間タイルと家具のコーディネートが非常によく合っていたところに注目。海外の「古い建物を丁寧に手直ししながら住む」イメージでリフォームを計画することになりました。
建具や棚板は、あえて素朴なものをチョイス。逆に壁紙やフローリングは張り替えて新しい雰囲気を出しています。トイレやキッチン、ユニットバスなども新しいものに交換し、ぐんと便利になりました。
次にご紹介するのは、南青山にたたずむ都会のリゾートのようなフルリフォーム事例です。昭和53年に建てられた約100㎡の築古物件。2LDK全体をリフォームして、工事費は1,620万円となっています。
リビングダイニングの天井には天然オイル仕上げのウェスタンレッドシダーの無垢板を張って、落ち着く空間に。無垢材なので木の香りや温もりも感じられます。
元々壁付けだったキッチンは、壁付け+対面L字にリフォーム。キッチンの向きを変更しただけで、使い勝手や雰囲気がガラッと変わりました。キッチンはかなりの広さがあるので、家族や友人が集まっていっしょに料理や会食を楽しむことができます。
こちらは海外のインテリアを参考にしながら、シャープでかっこいい内装に仕上げたフルリフォーム事例です。
フローリングを張り替えて、壁紙はおしゃれな濃紺を選びました。梁には木目のクロスを張ってアクセントにしています。キッチンは独立型のままですが、ガラス張りにすることで少しオープンな雰囲気を持たせました。
洗面やトイレは、ストライプ柄のクロスを採用して遊び心を。洗面台やトイレ、給湯器、ユニットバス、システムキッチンなど水回り設備も一通り交換しています。
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詳しくはこちら>>ここからは間取り変更を含めて大胆にリノベーションした事例をご紹介します。フルリフォームよりも柔軟に変化させて、理想の暮らしを叶えています。
昭和40年に建てられた築50年超の中古マンションを、ニューヨークのSOHOのようにおしゃれにリノベーションした事例です。天井はあえて躯体をむき出しにして、床材はショールームまで見に行ってこだわりのものを選びました。
実はこの物件、元々はLDK+和室という間取り。間仕切りのない広いワンルームに思い切って変更して、開放感を出しています。ドアも段差もなく、掃除がルンバにおまかせできるのも現代の生活にフィットしていますね。
海外のリゾートホテルのように、洗面室・浴室・トイレを個室にせず1つの空間にまとめたのもポイント。トイレはこだわりのフロートタイプにしており、掃除が楽々です。
築年数の古いマンションとは思えない、ドラマのセットのようなインダストリアルスタイルの家に。ここまで大きく雰囲気や使い勝手を変えられるのも、リノベーションならではといえるでしょう。
昭和62年に建てられた築30年超のマンションを、愛犬と暮らせる理想の住まいにリノベーションした事例です。専有面積は46.05㎡で、工事費は1,300万円かかりました。
リビングダイニングと寝室の間はあえて区切らず、窓からの光が家じゅうに行き渡るように。玄関から寝室が丸見えになってしまわないよう、おしゃれな格子で目隠ししたのもポイントです。
リビングの壁面には棚を造作。ご自身の身長に合わせて、ベストなサイズで作りました。置き場所に悩みがちなワンちゃんのケージも、キッチンのカウンター下にぴったり収まるように設計しています。
自分の本当に気に入った空間で20年、30年と暮らしていきたいから…とリノベーション費用は削減しすぎないように気をつけたそう。愛犬と暮らす方、子供と暮らす方、一人暮らしの方…それぞれの生活に合わせて建具から家具までこだわり抜けるのがリノベーションの魅力です。
平成26年に建てられた比較的築浅のマンションを、カフェ風にリノベーションされた事例です。広さは54.18㎡でご夫婦二人暮らし、かかった工事費は1,000万円です。
間取りは細切れの2LDKから、広いリビングのある1LDKに変更。バルコニー横の飛び出した部分は、仕事部屋としても使えるインナーテラスにしました。
お二人が最もこだわったのはキッチン。希望していたアイランドキッチンだとサイズが制限されるということで、カフェ風のカウンターキッチンを採用しています。
最初は新築やリノベ済のお部屋を探されていましたが、狭かったりイメージと違ったりしてなかなか良い物件と出会えなかったそう。中古物件を購入してリノベーションすることで、自分たちの好きな間取りや内装が叶えられたと満足されています。
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詳しくはこちら>>フルリフォームをすると内装から水回りまで、家全体がまるで新築のように生まれ変わります。「新築を購入するのは予算オーバー」「今住んでいる家の古さが気になる」「新築やリノベ済みだと理想の物件が見つからない」そんな方はフルリフォームを検討されてはいかがでしょうか。間取りを大きく変更したいなど、場合によっては物件に新しい機能や価値をプラスするリノベーションのほうが適している場合もあります。ベストなリフォーム内容はご家族によってさまざま。まずは好みの施工事例があるリフォーム・リノベーション会社に相談してみてください。