住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

リノベーションの時、間取り変更のポイントになることは何?

間取り設計図の写真

本記事では、部屋の「水まわり」を含めた間取り変更について解説します。間取り変更はどういうポイントをクリアすれば、実現できるのでしょうか。

こちらの記事(『内装は何をどこまで変更できるの?』)では、内装変更の内容の一つとして間取り変更についても取り上げ、概要を説明いたしました。ここでは間取り変更のポイントについて、さらに詳しく説明いたします。

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■間取り変更で注意すべきこと

別記事でも触れましたが、「間取り変更」の自由度に大きく影響する要素は、以下の2つになります。

①建物構造

②パイプスペース・ダクトスペースの位置

・ 建物構造

一点目の「建物構造」について捕捉しましょう。「建物構造」とは、建物全体を支える骨組みの方式を指します。骨組みの方法に大きく分けて二つあり、ひとつは「壁で建物を支える方法」(=壁式構造)と「柱・梁で建物を支える方法」(=ラーメン構造)とがあります。このうち、「壁で建物を支える方法」にはその特性上、撤去したり移動したりできない壁が存在ます。「壁を移動できない」ということはつまり、自由に間取りを変更できない、ということを意味します。壁式構造はそのような壁があるほど、間取り変更の自由度は下がってくることになります。

・パイプスペース、ダクトスペースの位置

二点目の「パイプスペース・ダクトスペースの位置」は、給排水機能や給排気機能を持たせる部分、つまりキッチンやバスルーム、洗面台などの水周りや、換気扇を設置するキッチン周りの位置取りに関連してきます。こちらも二重床の導入など、一定の工夫をすることで、ある程度位置を自由に変えることも可能ですが、場合によっては給排水・給排気の機能を考えた時に「水周りは動かせない」、つまり、間取り変更は難しい、ということもあります。

以下、もう少し詳しくみていきましょう。

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■間取り変更において「壁の種類」は重要

壁式構造のマンションは間取り変更の自由度が低い、ということは掴んでいただけたと思います。では、どんな壁ならば移動・撤去が難しく、間取り変更がしづらいのでしょうか。結論から申し上げると、壁には「コンクリート壁」と「間仕切壁」の2種類があり、その種類により間取り変更できる・できないは変わってくるので注意しましょう。

・コンクリート壁

コンクリート壁は、動かしたり取り壊したりできないので、間取り変更が難しいケースが多いと言えます。より厳密にいうと、コンクリート壁というよりは「構造上必要な壁」が、撤去・移動できず、結果として間取り変更を検討しても動かせない壁になります。ここであえて「コンクリート壁は難しい」と申し上げているのは、マンションでは通常、「構造上必要な壁」にはコンクリート壁が使われることが多いからです。ただし、高層マンションの一部では「乾式壁」という、石膏が素材になっている壁が使われます。この場合ももちろん「構造上必要な壁」であれば、取り壊すことができません。

このような「構造上必要な壁」は、隣戸との「戸境壁」や、バルコニー部分に面している壁に利用されることが多いです。そのあたりを動かせるか考えるときは、特に注意したいところですね。

・間仕切り壁(軽鉄&ボード)

室内の居室の間を仕切る「間仕切り壁」は、軽鉄とボードで出来ています。軽鉄という素材で下地と支えをつくり、その上にボードを設置し、そのボードにクロスを貼るという流れです。この間仕切り壁は、通常、構造上必要な壁ではなくあくまでも仕切りに用いているものなので、取り壊して間取りを変えることは可能です。

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■水まわりの位置の変更

冒頭で「パイプスペース・ダクトスペースの位置」も、特に水まわりの位置を動かせるかどうかについて重要になる、とお伝えしました。また、一方で二重床の導入など一定の工夫で対策も可能、ということもお伝えしました。ここではそのあたり、もう少し詳しくお伝えしましょう。

・ポイントは排水がスムーズにいくか

間取り変更で水まわりの位置を動かせるかどうかのポイントになるのは、つまるところ「排水がスムーズにいくか」というところです。マンションの水まわりの排水は、各部屋の壁裏にある「縦菅(たてかん)」と呼ばれる配管を通って、地下の下水管へつながっていきます。縦菅は、マンション最上階から、各部屋の壁裏を縦に通っている配管のことです。

そして、各部屋のトイレや浴室などの水まわりの排水は、床下にある配管を通り縦菅の入り口へとつながっていきます。そのため、トイレや浴室などの排水を縦菅へしっかりと流していくために、ある程度の勾配(高低差)が必要になります。つまり、トイレや浴室などの排水管の位置を、竪管の入口より高くして水が流れるようにする必要があるのです。ちなみに、玄関にある「上がり框(かまち)」と呼ばれる段差は、この水まわり用の勾配をつくる機能も果たしています。

こうした機能上の必要性を無視して、無理に水まわりの位置を変え勾配が取れない状態にすると、当然ながら「水流が弱くなり、汚水などが流れていかない」などのデメリットが生じます。

空気の流れについてもポイントは同じです。つまり、屋外に空気を逃していく送風口と、部屋の冷暖房設備や換気扇などの排気設備の位置関係によっては、空気の給排気がうまくいかないことがあるのです。

水周りの位置変更に関しては、「二重床」と呼ばれる床を導入して床自体を高くし、排水が流れていける勾配を作れるよう、スペースを確保するやり方も有ります。

しかし、いずれにせよ、間取り変更を検討しているときに、キッチンや洗面台、トイレやバスルームなどの水まわりの位置、冷暖房設備や換気口の位置を変えたい、と思ったら注意しましょう。自分の考えている間取り変更プランが現実的に選択肢となり得るのか、施工業者とも十分相談するようにしましょう。

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編集者: マイリノジャーナル編集部
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