昔ながらの和室にあるという印象も強い「床の間」。しかし最近は伝統的なスタイルにとらわれず、和モダンな床の間や、おしゃれにアレンジされた床の間など、さまざまなスタイルがとられています。家に床の間があるけれど、何を飾っていいか分からず持て余し気味…そんな方も床の間のリノベーションで、おしゃれに活用してみませんか。
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理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>床の間とは和室の入口から一番遠いところにある一段高いスペースのことです。和室の顔として、掛け軸や季節の花などを飾って来客をもてなすのによく使われます。床の間ある場所が上座、その反対側が下座です。
床の間の様式はさまざまですが、床との境目には床框を渡して一段高くして、脇に床柱という化粧柱が立てられていることが多いです。最近では伝統的なルールにこだわらず、柔軟な発想でつくられる床の間も増えています。
元々何かを飾るスペースとしてつくられた床の間。絵画や花、壺などをきれいに飾ることができます。お客様を招くことの多い方、美術品や骨とう品を飾りたい方、茶の湯を楽しみたい方などは、床の間をつくると重宝するでしょう。
床の間を飾り付けると、シンプルになりがちな和室全体が華やかに。来客をもてなしたり、自分の好きな物を飾って眺めたりする、とっておきの空間になるでしょう。また床の間をつくると、お部屋に奥行きがでて広がりを感じられるのもメリットです。
和室の床の間をなかなか有効活用できずに、デッドスペースにしてしまう方もいらっしゃいます。特に飾るものがなかったり、お家自体の狭さを感じたりしている場合は、持て余してしまうかもしれません。
床の間には掛け軸や骨とう品など高価な物を飾るイメージがあるもしれませんが、もっと自由に使っていただいても大丈夫です。モダンにアレンジしたり、好きな物を飾ったり、ご自身の生活スタイルに合わせて使いましょう。もし床の間はあまり使わないという方は、収納スペースなどにリフォームされるのも一つの手です。
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詳しくはこちら>>では実際に床の間をリノベーションでおしゃれに活用した事例を9つ見ていきましょう。
こちらは床の間の色やデザインにこだわり、和モダンに仕上げた事例です。壁は日本の伝統的な「じゅらく塗り」という味のある土壁で、柱や梁は渋めの色合い。最近は半畳畳の人気も高いですが、こちらでは従来の長方形の1畳サイズを使っています。
風情ある和室に、黒く塗装された床の間が現代的な雰囲気をプラス。日本家屋らしい落ち着きはありながら、美しい和モダンスタイルに仕上がっています。
床の間に使われたのは、モミの一枚板。奥に敷かれている玉砂利が、絶妙なアクセントになっています。小さな庭園のようで、生花などを飾ると美しく映えそうです。
【リフォームした会社】
株式会社 ズーデザインハウス
https://www.zu-design.com/
次の事例は、アールな袖壁が印象的な床の間です。袖壁とは柱や壁から横向きに張り出した、幅の狭い壁のこと。曲線を描くような袖壁をつくることで、柔らかい雰囲気になります。袖壁や垂れ壁を曲線にするのは、和モダンな床の間でよく取り入れられるスタイルです。
縁無しの畳や、色数をしぼったコーディネートで、スッキリとした和室に。アールの袖壁や、丸窓の障子などのアクセントが加わることで、落ち着きがありながらもデザイン性の高い和室になっています。
【リフォームした会社】
株式会社 ズーデザインハウス
https://www.zu-design.com/
こちらは「6畳間の和室を広く感じられるように」とリフォームされた事例です。床の間は壁紙を張り替え、畳も表替えをしてきれいになっています。
注目したいポイントが、床の間の隣にあった押し入れを「床脇」というスペースにリフォームしたこと。床脇とは床の間のすぐ脇に、棚などを組み合わせてつくられた装飾的な空間のことをいいます。
床脇の下部には「字袋」という小さな襖のついた戸棚をつくり、上には飾り棚を設置。側面には中間だけ壁をつくって、なかに仕込んだ照明でぼんやりと照らすことで、幻想的な雰囲気に。まるで奥まで空間が広がっているように感じられますよね。
床の間・床脇の間の壁の下の方には、「狆潜り(ちんくぐり)」という開口部を。狆=小型犬でもくぐれるような小さな穴ですが、光が抜けてより空間的な拡がりを感じられます。
【リフォームした会社】
株式会社すけみつ
https://sukemitsu.co.jp/
こちらは既存の床柱(床の間の脇に立つ化粧柱)を再利用して、思い出を残しながら住みやすくリフォームされた事例です。元々お父様が建てられた自慢の家だったそうで、床柱は桑の木、床の間は総サクラ材と材料までこだわってありました。
築35年ということで間取りは今風にリノベーションされましたが、思い出を残したいという施主様のご希望もあって、床柱や建具などは元のものを再利用されたそう。風合いがあってどっしりとした床柱のたたずまいが、床の間の印象を格上げしています。床の間リフォームで再利用したい部材がある方は、設計士に相談されてはいかがでしょうか。
【リフォームした会社】
三友工務店
https://www.sanyu-k.jp/reform/
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詳しくはこちら>>こちらも既存の床柱を活かしてリフォームされた事例です。床柱は意匠が強いデザインで、かなりの存在感を放っています。ただ床柱を残しただけでなく、既存の欄間を上部に設置してあるのもポイント。これによって意匠の強い床柱だけが浮くことなく、美しくバランスがとられています。床の間まわりが意匠の中心になるよう、他の部分はシンプルな設計です。
欄間はもともと天井と鴨居の間に、採光・通風・装飾などの目的で設けられる部材で、床の間の上部に設けるのはセオリー通りではありません。しかし和室に対する考え方も、時代とともに少しずつ変化しています。現代の暮らしやセンスに寄り添いながら、伝統的なスタイルも柔軟に取り入れていきたいですよね。
【リフォームした会社】
無二建築設計事務所
https://www.nakaura-kenchiku.jp/
こちらも従来のセオリーにとらわれすぎない床の間の事例です。昔ながらの一般的な床の間では、床柱が立てられていたり、床が一段高くなっていたりすることが多いですよね。しかしこちらの床の間は、棚板を1枚渡しただけのシンプルなつくり。生け花を飾るなどして使われているそうです。
こちらが和室をリビング側から見た写真です。リビングとのつながりをもたせつつ、襖を閉めると個室としても使えます。
床の間としては非常にラフなスタイルともいえますが、この床の間的なアイコンがあるのとないのでは大きく違うのではないでしょうか。単なる「畳スペース」ではなく、しっかりとした「和室」として機能しています。
床の間は本来「上座を示す」などの目的でつくられ、お客様や身分の高い方などをおもてなししていました。しかし現代においては、そのような格式張った意味合いは薄れてきているのかもしれません。伝統にこだわるだけでなく、空間のアクセントとして、ちょっと和の空間を楽しめる場として、床の間をもっと気軽に取り入れるのも良いのではないでしょうか。
【リフォームした会社】
無二建築設計事務所
https://www.nakaura-kenchiku.jp/
床の間をうまく活用できていない場合は、収納スペースにリフォームされるのも良いかもしれません。こちらは和室を洋室にリフォームし、床の間部分はクローゼットに変更された事例です。
Before
元々は8畳の和室として使われており、向かって左側に床の間、右側に押し入れがありました。
After
床の間+押し入れ部分を、大型クローゼットにリフォームして、すっかり洋風なお部屋になりました。かなりの収納量が確保できるので、お部屋がスッキリと片付きそうです。床はアッシュホワイト、クローゼットの扉はダークブラウンにして、家具もあわせやすい落ち着きのある空間になっています。
【リフォームした会社】
桶源住興株式会社
https://www.okegen.co.jp/
和室のまま、床の間を収納スペースにリフォームするという方法もあります。こちらの和室は書斎として使いやすいよう、床の間に本や書類を収納する棚をつくられたリフォーム事例です。
あえてすべての棚に扉はつけず、和の物を飾れるようなオープンな棚も確保。扉が閉められる部分には、出しっぱなしにしたくない小物などを収納できます。
市販の棚を置くとなると、なかなかサイズやデザインの合うものを見つけるのは難しいもの。造作棚なら、床の間にぴったりサイズ、和室に合わせたデザインでつくることができます。こちらもモダンな棚ですが、和室にもよく合うデザインで素敵ですよね。
【リフォームした会社】
太平住宅長岡
https://www.taiheinagaoka.com/
本がお好きな方のなかには、大量の蔵書をしまう場所に困っている…という方も多いのではないでしょうか。こちらの事例では、趣味の本を床の間スペースに並べて保管していましたが、横一段しか並べることができないということで、本棚を造作されたそうです。
造作なので、床の間スペースに幅も奥行きもぴったりサイズ。床柱の色に合わせて塗装も施し、和室の雰囲気にしっくりとなじんでいます。丈夫なつくりにしてあるので、重量がある大量の本を並べても、棚板がたわむようなことがなく安心です。
【リフォームした会社】
北条建装㈱
https://www.hojo-kenso.co.jp/
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詳しくはこちら>>床の間の雰囲気を変えるなら、それに合わせて和室全体の工事をされることが多いですよね。畳の交換、襖や障子、壁紙の張り替えなどで済むなら、予算20万円前後が目安。珪藻土や漆喰の塗り壁にしたり、建具まで含めて大きく変更したりする場合、費用の目安は50万円前後まで上がるかもしれません。デザイン性の高い床の間を新しく造作する、リビングなど他の居室とつながる部分の構造を変更する、和室を洋室に変更するなど、大がかりなリノベーションになると予算100万円を超えるケースもあります。
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詳しくはこちら>>おしゃれな床の間をつくるには、いくつかポイントがあるので見ていきましょう。
床の間は和室の入口から一番遠い壁際につくられることが多いです。入口から入ったときに一番に目に入るフォーカルポイントにもなり、飾っている美術品や花も目に入りやすくなります。風水などを気にされる方は、床の間の正面は「西を背にした東向き」「北か北西を背にした南か東南向き」など、家相で良いとされている向きを意識されると良いでしょう。
デザインを考えるときには、床の間単体ではなく和室全体のデザインを先に決めるとまとまりがよくなります。例えば畳や天井、壁面は同系色でスッキリと仕上げ、床の間に違う色を使うとパッと目を惹くモダンな空間に。伝統的な和室としてまとめるなら、床の間は重厚感のある素材で仕上げて、格式高く見せたいですよね。
和室をおしゃれに見せるには、色や素材感にこだわるのもポイントです。床の間の壁だけアクセント的に色を変えたり、素材感の違うエコカラットを張ったりする方法も。漆喰や珪藻土など、自然素材の塗り壁も和室との相性抜群です。床の間の床に無垢の一枚板や御影石などを敷くと、高級感あふれる空間を演出できます。
床の間を現代風に取り入れるなら、照明もうまく取り入れていきましょう。垂れ壁の後ろに照明を仕込んで掛け軸を照らしたり、和風のデザインのスタンドライトを置いたり。効果的にライトアップすると、和室全体のおしゃれ度もグンと上がります。特に柔らかい間接照明は和の雰囲気とも相性抜群。飾ってある絵画や活け花も引き立ち、お部屋に奥行き感もでます。
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詳しくはこちら>>床の間は伝統的なスタイルを守って、掛け軸や美術品を飾るもの…そんなイメージにとらわれすぎず柔軟にリノベーションして、お気に入りの空間をつくってみませんか。和室全体がおしゃれになるだけでなく、隣接するLDKまでおしゃれに見せることもできますよ。
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