武骨で荒削りなカッコよさのある「インダストリアル」は昨今、流行りのインテリアテイストの一つ。しかし、どのようなインテリアを指すのか、わかりにくさがあるスタイルでもあります。そこで、インダストリアルテイストの部屋をリノベーションなどで実現するためのポイントや施工事例を紹介していきます。
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理想の住まいをワンストップで実現できるリノベーションサービス「MyRENO マイリノ」
詳しくはこちら>>インダストリアルテイストについて、本来の「インダストリアル」の意味から、インテリアテイストとしてのスタイルや魅力まで紹介していきます。
そもそも、インダストリアル(=industrial)とは、「工業の」「産業の」といった意味の言葉です。また、インダストリアルデザインとは、大量生産による工業デザインを指します。工業デザインは実用的で機能美に優れていることを求められます。
インテリアスタイルの「インダストリアル」とは、もともとはこうした工業デザインの意味から派生したものでした。そこから昨今では、倉庫や工場をイメージさせるインテリアスタイルを意味するようになっています。コンクリートの躯体現しやむき出しの配管、無機質なスチールなどを用いた、倉庫や工場を彷彿させるインテリアスタイルが、インダストリアルテイストと呼ばれています。
インダストリアルテイストは、コンクリートの躯体やむき出しの配管、スチールといった素材による武骨でクールなイメージが魅力です。また、コンクリートや金属、タイル、ガラスといった無機質な素材と、ユーズド感のある木材やレザーといった有機質な素材を組み合わせることも特徴です。インダストリアルテイストは、荒々しい印象でありながらも、温かみも感じられるインテリアスタイルといえます。
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詳しくはこちら>>インダストリアルテイストはユーズド感のある雰囲気が似合うため、新築の物件よりも、中古物件のリノベーションで実現しやすいインテリアスタイルです。実際のマンションのリノベーションで、インダストリアルの部屋を実現した施工事例を紹介していきます。
最初に紹介するのは、インダストリアルテイストのセオリー通りの空間にリノベーションした事例です。天井はコンクリートの躯体現しで、壁は塗装仕上げ、床はフローリング、そして天井の換気ダクトがむき出しで、ダクトレールが設置されています。また、業務用を彷彿させるシンプルなステンレス製のキッチンも、インダストリアルテイストに使われることが多いアイテムです。木製の棚やレザーのソファなどの家具が組み合わせられ、荒削りななかにも温かみのある空間となりました。
塗装を施したコンクリートの躯体現しの天井に、ダクトレールのスポットライトや金属製のシェードのペンダント、ジュート風のシェードのペンダントなど、多様な異素材の照明器具を設置した事例。アクセントウォールや室内窓などと相まって、遊び心が感じられる空間となりました。無垢材のフローリングを使用していることから、味わい深さも感じられます。
また、天井のプラスターボードを撤去してコンクリートの躯体現しにしたことで、天井高が上がり、開放感が生まれるというメリットも生まれました。
土間のある玄関も、インダストリアルテイストらしさが感じられる空間。自転車や服、靴などがディスプレイするように収納され、ショップ風の雰囲気もあります。
ヘリンボーン貼りの無垢材のフローリングが印象的な事例。塗装を施したコンクリートの躯体現しの天井やモルタルで仕上げた壁とマッチし、大人のインダストリアルテイストの空間となっています。電気配線のための鉄管やダクトレール、ペンダント、レンジフードといった金属製のアイテムがマッチし、スタイリッシュな印象です。
また、リビングと隣接する寝室との間の黒いフレームの室内窓が、空間にメリハリを与えています。
木質系の素材とアイアンなどでつくられた、一見すると家具のような造作キッチン。インダストリアルテイストには、シンプルに棚板が設けられたデザインのキッチンが合いいます。
アイアンの照明器具やブラインド、木質系の素材の棚が設置されたシンプルなトイレも、インダストリアルテイストらしい雰囲気です。
玄関も壁や床がモルタルで仕上げられ、ヘンリボーン貼りのフローリングとマッチするカッコイイ雰囲気。この先にオシャレな空間が広がることを期待させます。
次に紹介するのは、マリーンテイストを取り入れたナチュラルなインダストリアルテイストの事例です。白をベースとした空間でブリックタイルがアクセントになり、爽やかな印象です。
壁には多様な仕上げが取り入れられ、遊び心が感じられます。塗装されたコンクリートの躯体現しの天井と、ダメージ加工が施された板張りの壁がマッチしています。
リビングや玄関の土間の棚板には、ユーズド感のあるものが使われています。ラフな雰囲気がスニーカーやアウトドアグッズと合い、オシャレな雰囲気です。
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詳しくはこちら>>インダストリアルな雰囲気のコンクリートむき出しの天井と、天然木風のダークな床材を組み合わせた事例です。ニューヨークのSOHOのようなカッコイイ雰囲気の内装に、味のあるレザーのソファや、木材とアイアンを組み合わせたテーブルがマッチしています。
あまり料理をされないということで普通のシステムキッチンにする予定だったそうですが、デザイナーからの勧めでスタイリッシュなキッチンに。生活感がでやすい部分ですが、ダークな色合いや無骨な素材感のキッチンは、お部屋のインテリアを邪魔せずよくなじんでいます。まるでプロの厨房のようなステンレスのレンジフードも、インダストリアルな雰囲気にぴったりです。
「無機質なインダストリアル風インテリア」と「有機物である観葉植物」は相反するイメージがありますが、実は相性抜群。無機質な印象を植物がやわらげ、リラックスできる空間に仕上げることができます。
こちらの事例では、内装はナチュラルオーク柄のフローリングに、ブラックのドアなどインダストリアルな要素を。家具もアイアンなどを使った無骨なデザインをチョイスしています。植物は床に置くだけでなく、キッチンの吊戸棚や、照明のダクトレールから吊るすなど、立体的に飾っているのが素敵ですね。
こちらの事例では、インダストリアルな家具が映えるように、あえて内装は白を基調としたシンプルな仕上げにしています。古木や金属、無垢材をつかったお気に入りのインダストリアル風家具が似合うよう、床はフローリングではなく白っぽいタイル、壁もシンプルな白色を選びました。
生活感のでる一般的なシステムキッチンは避けて、業務用に近いオールステンレスのキッチンを選んだのもこだわりの一つ。無骨な素材感で、インテリアのカッコイイ雰囲気を格上げしています。
こちらは趣味の映画鑑賞を楽しめるホームシアターのあるリノベーション事例。むき出しの梁が倉庫のような雰囲気で、床材やタイル、間接照明など雰囲気づくりにもこだわりました。スクリーンを取り付けるバーがむき出しになっていて、これもインダストリアルな雰囲気を演出するのに一役買っています。
こだわりの一つが、一枚板のキッチンカウンター。ご自身で購入された板で、まるでバーのカウンターのようです。お酒を飲んだり映画を楽しんだりと、休日を思いっきり楽しめるお気に入りの空間が完成しました。
ダメージ感のあるオークの無垢フローリング、茶色のブルックリンタイルの壁面、壁や天井の躯体現しと、インダストリアルの要素をたっぷり詰め込んだ事例です。
特徴的なのが、コンクリートブロックを使ったキッチンカウンター。木×コンクリートの組み合わせがオシャレで、個性的なキッチンになっています。
こちらもインダストリアルインテリアの王道のような事例。天井は打ちっぱなしにして、黒いダクトレールにつけたスポットライトで分散照明にしています。リノベーションのポイントはモルタル使いで、キッチンカウンターや洗面台、玄関の床などに無骨なモルタルの素材を採用しました。
モルタルで造作した、完全オリジナルの洗面台。木枠の鏡を二つ並べて、オシャレながら実用的なつくりです。
細かい部分にもインダストリアル要素を。廊下からリビングまで、よく目につく部分のスイッチはトグルスイッチにしています。
アメリカのニューヨーク州にあるブルックリンをイメージしたインテリアも、インダストリアルな要素がたっぷりです。無垢のヘリンボーンの床、ヴィンテージ感のある躯体現しの天井、ペンキ仕上げの壁など無骨な雰囲気にこだわっています。金網やダクトレールなど金属系のアイテムも、工場や倉庫を彷彿とさせますよね。
こちらはインダストリアルな素材をたくさん使った事例です。キッチンの床は石タイル、リビングの床は無垢フローリングと素材を切り替えて、壁は塗り壁で統一。黒いドアやキッチン、ダクトレールが、お部屋の雰囲気を引き締めています。
ダークグレーの壁や、無骨なデザインのペンダントライトがインダストリアルな雰囲気を醸し出している事例です。
キッチンの横は隠せる収納スペース。冷蔵庫など生活感のでやすいものが目に入らないので、カッコイイ雰囲気を崩すことがありません。
ヴィンテージ感のある家具が良く似合う事例です。壁や天井はダークな色合いにして、間接照明で大人な空間を演出しています。
玄関にはインダストリアルなパイプや金網を。オシャレなアパレルショップのように、お気に入りの洋服やカバンなどを飾って収納できます。
おしゃれな店舗のような家をめざしたリノベーション事例です。躯体現しの天井、オーク材の無垢フローリングの床、リビングのストーンタイルの壁と、インダストリアルな要素を取り入れています。天井を躯体現しにしたことで天井が高くとれるので、店舗のような開放感のある空間になりました。
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詳しくはこちら>>インダストリアルテイストは、工場や倉庫を彷彿させる武骨で荒削りなイメージのインテリアテイストです。マンションのリノベーションなどで、インダストリアルテイストの部屋をつくるためのポイントをまとめました。
インダストリアルテイストでは、天井や壁にコンクリートの躯体現しを取り入れるのがポイント。躯体とは建物の構造体のことをいい、分譲マンションで一般的な構造のRC造やSRC造では、コンクリートでできたスラブや梁、柱、壁を指します。
リノベーションで天井や壁を躯体現しにするには、プラスターボードや壁紙などの仕上げを撤去して、コンクリートの躯体をそのまま見せます。コンクリートの表面の凹凸や、壁紙を剥がしたことによるパテ処理の跡、工事に必要な基準線を記した墨出しの線などが気になるかもしれません。しかし、インダストリアルテイストはこうした荒々しさが、かえって味わいとなるのです。
ただし、壁はコンクリートの躯体現しにできる部分は限られています。壁にはコンクリートの躯体の壁である耐力壁と、LGSという軽量鉄骨や木材の間柱にプラスターボードを取り付けた間仕切り壁があります。コンクリートの躯体現しにできる耐力壁は、外部に面する壁や隣戸との境の界壁です。RC造には柱や梁で支えるラーメン構造と壁で支える壁式構造があります。一部の低層マンションで見られる壁式構造では、間仕切り壁の一部も耐力壁のため、コンクリートの躯体現しにすることが可能です。
また、外部に面する壁は、一般的に室内側に断熱材が施工されているため、注意が必要です。外部に面する壁を躯体現しにすると、断熱材がない状態となってしまい、冬の寒さや夏の暑さが室内に伝わりやすくなってしまうので、避けるようにしましょう。
インダストリアルテイストで、コンクリートの躯体現しにする天井や壁以外の仕上げとして、相性がよいのは塗装です。コンクリートの躯体現しにする天井や壁も、パテ処理の跡や墨出しの線などが気になる場合は、塗装仕上げとするのも手です。コンクリートの表面の凹凸は残るため、コンクリートの風合いは感じられます。
通常、マンションの天井の内部には電気配線や換気ダクトが通っています。そのため、天井を躯体現しにすると、電気配線のための配管や換気ダクトが露出になります。インダストリアルテイストでは、こうした配管やダクトをあえてカッコよく見せるのが醍醐味です。
電気配線のための配管は、無機質な鉄管を用いるのが一般的です。また、インダストリアルテイストでは、照明器具を設置するためにダクトレールを用いることが多いのも特徴。ダクトレールは、対応するスポットライトやペンダントライトなどの照明器具を複数個、好きな位置に取り付けられるというメリットがあります。ダクトレールはパーツを組み合わせて、直線だけではなく、L字型やコの字型、四角形、十字型に配置することも可能です。
たとえば、電気配線のための配管やダクトレール、換気ダクトが平行になるように、方向を揃えて配置すると、すっきりと見えてスタイリッシュな印象になります。
インダストリアルテイストに合うのは、スチールなどの金属やガラスなど無機質な素材のシェードの照明器具です。金属製のシェードはマットな仕上げのタイプや、ユーズド感のあるサビ加工風の塗装が施されたタイプが向いています。また、裸電球風のペンダントライトも、古い工場や倉庫を彷彿させるため、インダストリアルテイストにマッチします。
インダストリアルテイストに合う床材は、無垢材のフローリングや無機質な素材のタイルです。無垢材のフローリングは使い込むほどに味わい深い雰囲気となり、経年変化が楽しめるため、インダストリアルテイストに向いています。ただし、マンションは管理規約でフローリングの遮音等級が定められていることが多く、無垢材のフローリングを貼る場合には注意が必要です。遮音等級をクリアするには防音マットを敷く方法のほか、最近は防音材が裏張りされて遮音性能が付加されたタイプの無垢材のフローリングも展開されています。
あるいは、合板などの基材に突板などの化粧材を貼った複合フローリングのなかにも、長年使いこまれたかのようなヴィンテージ加工がされたタイプがあり、インダストリアルテイストに合います。
床材にタイルを用いる場合は、大判のマットなタイプが向いています。
ユーズド感のあるアイテムを取り入れることも、インダストリアルテイストには欠かせないポイントです。本物のヴィンテージ家具を取り入れるほか、ヴィンテージ加工がされた素材を使ったアイテムを取り入れるのも手です。
木材では、経年変化を模した凹みやキズなどのダメージ加工や、ひび割れや亀裂を表現したクラッキング加工、塗装が擦れたラビング加工が施された家具が市販されています。ヴィンテージ加工がされたフローリングもあります。また、金属製のアイテムでは、サビ加工風の塗装のスチールを使った照明器具や家具を取り入れるのがおすすめです。
インダストリアルテイストでは、家具は金属や木材、レザーといった素材を使ったアイテムを組み合わせるのが基本です。たとえば、ユーズド感のある木製のテーブル、木製の天板でスチールやアイアンの脚のテーブル、スチールの椅子、スチールのロッカー、レザーのソファといった家具がマッチします。
インダストリアルテイストには、華美な窓まわりのアイテムは合いません。事務所などでも使われているようなアルミのブラインドを設置するか、あるいはカーテンであれば、ヒダが少ないタイプが向いています。カーテンクリップを使って、四方を縫ったシンプルな布を吊るすのもおすすめです。
インダストリアルテイストで基本となるカラーは、ブラックやグレーといったモノトーンやブラウンで、鮮やかなカラーよりもくすんだ色が合います。単調な印象にしないためには、ブラックやグレーをグラデーションで使ってメリハリを出すのがポイント。また、シルバーのアイテムを取り入れるとアクセントとなり、スタイリッシュな印象になります。
ナチュラルモダンを取り入れたきれいめのインダストリアルテイストを目指す場合は、アイボリーを取り入れるのがおすすめです。
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詳しくはこちら>>マンションをインダストリアルテイストにリノベーションするにはどの程度の費用がかかるのでしょうか。インダストリアルテイストならではの特徴を踏まえながら、費用相場をみていきます。
マンションをインダストリアルテイストの部屋にリノベーションする場合、工事費用は800万円~1000万円がボリュームゾーンです。一般的に専有面積70㎡程度のマンションのフルリノベーションは1000万円程度ですが、それよりもやや費用が安めです。
インダストリアルテイストでリノベーション費用を抑えられる要因となるのは、一つにはコンクリートの躯体現しにする点です。フルリノベーションのなかでも、コンクリートの躯体の状態まで解体するスケルトンリノベーションの場合は、通常、再度、天井などに下地を組んでプラスターボードを取り付けた後、壁紙や塗装による仕上げを施します。コンクリートの躯体現しにすることで、下地を組んでプラスターボードを貼ったり、壁紙や塗装による仕上げをしたりしない箇所があれば、その分コストダウンになります。
また、造作家具を設ける場合、インダストリアルテイストへのリノベーションでは、シンプルな棚板のみのオープンラックが取り付けられることが多いです。オープンラックは、扉や引き出しのある収納家具よりも費用を抑えられます。
一方で、一般的に無垢材のフローリングを使用する場合、複合フローリングよりも割高です。また、天井や壁の仕上げは、量産品の壁紙を貼り替える場合と比べて、塗装の方が高い傾向にあります。
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詳しくはこちら>>「インダストリアル」は、コンクリートやスチール、木材、レザーといった素材を組み合わせた、武骨で荒削りでありながらも、スタイリッシュで温かみもあるインテリアテイストです。素材の組み合わせの絶妙なバランスが重要ですので、リノベーション会社などのプロに相談してみましょう。
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