住まい選びを変える 中古マンション×リノベーション

躯体現しとは?リノベーションで人気の仕上げのメリットやデメリットは?

コンクリートの躯体を露出にする「躯体現し」は、オシャレに見えることから、マンションのリノベーションで人気のある仕上げの一つです。リノベーションで躯体現しにすることで、どのような空間を実現できるのでしょうか。躯体現しにするメリットやデメリット、注意点などを踏まえたうえで、施工事例を紹介していきます。

こんな方におすすめの記事です
  • 躯体現わしのリノベーションをしてみたい方
  • 躯体現わしのリノベーション事例を見たい方
  • おしゃれなリノベーションをしてみたい方
グローバルベイスではリノベーションに
関するご相談をお待ちしております

■躯体現しとは?

分譲マンションの構造は、主にRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)です。躯体とは建物の構造体をいい、RC造やSRC造の場合はコンクリートでできたスラブや梁、柱、壁を指します。スラブとは構造用床のことで、天井スラブとも床スラブとも呼ばれますが、これは階下の天井が上の階の床となっているためです。

RC造やSRC造にはラーメン構造と壁式構造という種類があり、マンションで躯体の壁である耐力壁となっている部分には違いがあります。ラーメン構造は柱や梁で支える構造で、耐力壁となっている壁は、外部に面している壁や隣戸との間の界壁です。一方、低層マンションの一部にみられる壁式構造の場合、壁で支える構造のため、外部に面している壁や界壁のほか、専有部分内の一部の壁も耐力壁となっています。
(構造について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。)

躯体現しとは、コンクリートでできた天井スラブや梁、柱、壁に、プラスターボードを貼ったり、仕上げのクロス貼りや塗装などを行ったりせず、剥き出しの状態にすることをいいます。

マンションのリノベーションで躯体現しにできるのは、コンクリートの躯体がある部分です。実際のマンションのリノベーションでは、リビングなどの天井を躯体現しにするケースが多いです。天井と一部の壁を躯体現しにする、梁のみを躯体現しにしてアクセントにするといった取り入れ方もあります。

■躯体現しの注意点

オシャレなイメージのある躯体現しですが、リノベーションでは避けるべき壁などもあります。また、躯体の状態によってはイメージと大きく異なる可能性もあります。リノベーションで躯体現しにする場合の注意点をまとめました。

・外壁部分の壁や最上階の天井は躯体現しに向いていない

外部に面した壁は、一般的に躯体に断熱材を吹き付けてプラスターボードを貼り、クロスなどで仕上げることで、外気の温度の影響を受けにくくしています。ところが、プラスターボードとともに断熱材を撤去して躯体現しにしてしまうと、室内が外気の温度の影響を受けやすくなります。そのため、冬場は外部の冷気が室内に伝わりやすく寒いうえに、室内との温度差から結露が起きやすいです。また、夏場は熱気が伝わりやすく、サウナ状態になることが懸念されます。

また、昨今ではマンションの最上階は外断熱にすることが一般的ですが、古いマンションでは天井裏で断熱材が施工されているため、躯体現しにできないことがあります。

つまり、躯体の部分であっても、断熱施工がされている箇所は躯体現しにするのは避けるべきです。

・ダクトや配線は露出になる

天井を躯体現しにすると、天井裏を通っている換気ダクトや電気配線が露出することになることを踏まえ置くことが必要です。換気ダクトはそのまま露出してもスタイリッシュに見えますが、電気配線はコンクリートとデザイン的に相性のよい、鉄管を通すのが一般的です。ダクトレールを使って照明器具を設置するケースが多く見受けられます。ダウンライトは天井への埋め込み式の器具のため、天井を躯体現しにすると設置することはできません。天井の配線がすっきり見えるような照明計画を立てることが大切です。

・防塵塗装が必要

リノベーションで躯体現しにする場合、天井に防塵塗装を行うことでホコリなどが落ちてくるのを防ぐことができます。防塵塗装はクリア塗装のため、コンクリートの風合いを損なわずに済みます。

・パテ処理の跡や墨出しの線などが残ることがある

もともと、躯体現しでつくられたマンションと異なり、リノベーションで躯体現しにすると、プラスターボードやクロスなどで隠れる状態であったコンクリートの天井や壁、梁や柱などが、見える状態になります。そのため、コンクリートの表面が凸凹していて、きれいな仕上がりではないことは少なくありません。また、工事に必要な基準となる線を直接躯体に記す墨出しの線が残っていたりすることがあります。あるいは、プラスターボードを剥がしたボンドの跡や、直接、躯体に壁紙を貼っている場合のパテ処理の跡が残るケースも見受けられます。

そのため、躯体現しにすると、コンクリートの表面がきれいな状態ではない可能性があることに留意しておきましょう。とはいえ、こうした躯体現しならではの状態は程度にもよりますが、むしろラフで味があり、コンクリートの表情として楽しむといった考え方もできます。また、照明器具を取り付けたりすると、さほど気にならなったりすることもあります。

ただし、解体して躯体が見える状態にすると、コンクリートにひび割れが生じていた場合には、安全性に問題があることが考えられます。リノベーション会社に相談するとともに、管理組合に報告することが必要です。

・躯体現しの「塗装仕上げ」という選択肢もある

躯体現しでコンクリートの表面の状態が気になる場合は、塗装仕上げにすることも選択肢の一つです。躯体現しの塗装仕上げにした場合、ボンドの跡やパテ処理の跡は消えますが、表面の凸凹は残るため、コンクリートの質感は感じられます。躯体現し以外の部分も含めて塗装すると、一体感のある空間になります。また、白く塗装した場合には、開放感が感じられ、空間が広く見えるといった点もメリットです。

■躯体現しのメリットは?

リノベーションで躯体現しにすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。デザインや空間の印象の面などからまとめました。

・デザイン性が高くオシャレ

躯体現しの魅力はなんといってもデザイン性が高くオシャレに見えることです。コンクリートの躯体は木や金属、石といった異素材との相性がよく、カフェやショップのような雰囲気を持つスタイリッシュな空間を実現できます。

空間の中で躯体現しの占める割合や塗装の有無によって、マッチするインテリアスタイルには違いがあります。天井、あるいは天井と一部の壁を躯体現しにするなど、躯体を見せる割合が多いと、よりラフなイメージになります。また、塗装をしない方がより武骨な印象です。インダストリアルスタイルやブルックリンスタイルなどがマッチする空間をつくれます。反対に、躯体に白の塗装を施すとマイルドなテイストになり、メイプルなど明るいフローリングと合わせた場合には、ナチュラルな空間になります。

また、躯体現しにすると、換気ダクトや電気配線の配管が露出になりますが、「あえて見せている」と感じさせる配線計画や照明計画にすることがポイント。たとえば、換気ダクトや配線の鉄管、ダクトレールの方向を揃えるとすっきりと見せられます。

・天井高が高くなり開放感がある

マンションの天井の構造には、二重天井と直天井があります。二重天井の場合は、躯体現しにすることによって天井高が高くなるため、開放感が生まれることがメリットです。

二重天井とは天井スラブの下に空間をとって、下地材を吊り下げた上にプラスターボードなどを貼り、クロスなどで仕上げた天井をいいます。躯体現しにすると天井スラブの下の空間の分、天井高が高くなります。一方、直天井は天井に直接、クロスなどの仕上げ材を貼っているため、躯体現しにしても天井高は変わりません。

マンションを購入してリノベーションするケースで、天井高が低いと感じている場合は、二重天井になっているか、不動産会社の担当者などに確認するようにしましょう。

グローバルベイスではリノベーションに
関するご相談をお待ちしております

■躯体現しのデメリットは?

マンションをリノベーションで躯体現しにすると、オシャレな空間を実現できるといったメリットもある反面、デメリットもあります。躯体現しのデメリットについて、機能やデザインの面などからみていきます。

・防音性や断熱性が劣る

直天井を躯体現しにしても防音性に影響があることは考えにくいですが、二重天井を躯体現しにした場合、プラスターボードなどを剥がすことになるため、防音性が劣ってしまう可能性があります。また、外部に面する壁を躯体現しにしてしまうと、断熱性能が著しく低下するため、注意が必要です。

・デザインテイストに制限がある

リノベーションで躯体現しにすると、無機質でクールな印象になります。また、天井を躯体現しにした場合には、ダクトや配線が露出になることからも、実現できるデザインテイストには制限があることもデメリットです。ダクトや配線が露出になるのを好まない人や、エレガントなテイストのインテリアにしたい人などには向いていないでしょう。

■マンションで躯体現しにした施工事例

実際にマンションのリノベーションで躯体現しにするとどのような空間を実現できるのでしょうか。躯体現しにする箇所や塗装の有無、インテリアコーディネートによって雰囲気は異なります。マンションのリノベーションの躯体現しの施工事例を紹介していきます。

・躯体現しによる王道のインダストリアルスタイル

躯体現しによる王道のインダストリアルスタイル

インダストリアルスタイルとは、倉庫や工場をイメージした武骨な雰囲気のインテリアスタイルです。コンクリートや金属といった無機質な素材に、ユーズド感のある木やレザーなどの異素材を組み合わせるのが代表的なスタイルになります。

この事例のような躯体現しの天井は、インダストリアルスタイルの定番といえるもの。ステンレスのキッチン、木製の本棚やユーズド感のある革張りのソファを組み合わせた、インダストリアルスタイルの王道といえるコーディネートとなっています。壁を塗装仕上げとしたことで、躯体現しの天井と質感がマッチしています。

→この事例を詳しく見たい方はこちら

・「躯体現し×無垢材×タイル」の素材ミックスによるショップ風リビング

「躯体現し×無垢材×タイル」の素材ミックスによるショップ風リビング

躯体現しのコンクリートの天井と無垢材のフローリング、壁面のタイルの異素材を組み合わせて、ショップ風の空間を実現した事例。ブルーグレーの窓枠のついた室内窓がフォーカルポイントになるとともに、空間に抜け感を出しています。

躯体現しの天井は配線が露出になるため、すっきりと見せることがポイント。この事例では照明器具などの配線を平行に配列していることで、整然とした印象になりました。躯体現しの天井は武骨なイメージになりやすいですが、素材感のよさや緻密な照明プランから、スマートで都会的な空間となっています。

→この事例を詳しく見たい方はこちら

・梁のみを躯体現しにした海を感じさせる空間

梁のみを躯体現しにした海を感じさせる空間

梁のみを躯体現しにした事例。天井は躯体現しとしていないため、配線が露出になることもなく、すっきりとしています。海を感じさせるナチュラルなインテリアに、無機質な躯体現しの梁が加わた、オシャレな空間。照明器具や棚の金具、テーブルや椅子の脚などの黒の金属製のアイテムが、無機質な梁とナチュラルなアイテムをつなぐ役割を果たすとともに、空間にメリハリを与えています。躯体現しを取り入れながらも、柔らかな印象が感じられます。

→この事例を詳しく見たい方はこちら

・白い塗装の躯体現しの開放感あふれるリビング

白い塗装の躯体現しの開放感あふれるリビング

天井と壁を躯体現しにし、白の塗装を行った事例です。躯体現しの中ではマイルドなテイストですが、天井はコンクリートの質感が感じらえる仕上がりとなっています。天井と壁を白としたことで開放感があり、無垢材の寄木のパーケットフローリングとマッチしています。また、キッチンの腰壁とダイニングに隣接するストックルームの仕上げを変えたことで、遊び心も感じられる空間となりました。

→この事例を詳しく見たい方はこちら

■まとめ

マンションのリノベーションで躯体現しにすることで、荒削りなインテリアからマイルドなナチュラルなインテリアまで、オシャレな空間を実現できます。ただし、躯体現しのリノベーションには注意点があり、カッコよく見せるにはノウハウが必要です。躯体現しのリノベーションに慣れた会社に依頼するのがおすすめです。

グローバルベイスではリノベーションに
関するご相談をお待ちしております