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古民家リノベーションのメリットや費用相場・事例・補助金もご紹介

古民家リノベーションのメリットや費用相場・事例・補助金もご紹介

近年、話題になっている古民家リノベーション。観光地などで昔ながらの日本家屋の良さを残しつつ素敵にリノベーションされた住宅・カフェ・レストラン・宿泊施設・文化体験施設を目にすることも多いですよね。古民家ならではの風情を残せるのが魅力ですが、耐震性・断熱性・バリアフリーなど古い家だからこそ考えるべきポイントもたくさんあります。今回は古民家リノベーションのメリットや優先的に検討したい工事内容、注意点などをご紹介しましょう。

こんな方におすすめの記事です
  • 古民家をリノベーションして住みたい方
  • 古民家で検討するべき工事内容や注意点を知りたい方
  • 古民家リノベーションの費用や補助金について知りたい方

CONTENTS

■古民家リノベーションとは

古民家リノベーションとは、昔ながらの日本家屋を利用して、現代の暮らしに合わせて作り直すこと。空き家であったり管理が行き届いていなかったりすることも多い古民家ですが、適切にリノベーションすることで魅力が増し、長く快適に住み続けられるようになります。

古民家にはっきりとした定義があるわけではありませんが、「築50年以上」の民家のことを古民家と呼ぶことが多いでしょう。これは登録有形文化財として登録される建築物の対象範囲が「築50年」であることからきています。また一般社団法人全国古民家再生協会では「昭和25年(1950年)の建築基準法制定時にすでに建てられていた伝統的建造物の住宅」を古民家と定義づけています。日本の伝統的な工法を用いて、地域ごとの気候風土に合わせた形で建てられているのが特徴です。

■古民家リノベーションと古民家リフォームの違い

古民家リノベーションと古民家リフォームでは、主に工事の目的やアプローチに違いがあります。

リノベーションとは、新たな機能や価値を持たせるような工事のこと。単に古くなったところを修繕するのではなく、「自分の住みたい家」を叶えるのが古民家リノベーションの目的です。古民家がもる歴史を尊重し、伝統的な建材を活かしながら、現代の生活スタイルに合わせて改修します。

一方リフォームとは、建物を修復すること。老朽化した部分を修復して、元の状態に戻すことを目的としています。そのため古民家リフォームは工事も小規模なことが多く、建物の基本的な構造や特徴は変わりません。マイナスの状態をゼロに戻すようなイメージです。

・古民家リノベーションと古民家リフォームの種類

古民家再生には「現地再生・移築再生・古材再生」の大きく分けて3種類あります。

現地再生

現地再生とは、現在の古民家の場所は変えずに行う、一般的なリフォームやリノベーションのことです。古民家の柱や梁といった構造物はなるべくそのまま残して、気になっている耐震性・寒さ・暗さ・内装・設備などを改善します。住宅だけでなく、店舗など別の用途としてリノベーションすることもあります。

移築再生

移築再生とは、古民家を一度解体したあと、別の場所へ古材を運んで再建する工事です。気に入った古民家の魅力を残しながら、好きな場所で古民家暮らしを始められるのがメリット。古材の再利用が前提ですが、経年劣化が進んでいて使えない部材もあるので、新しい資材や別の古材を組み合わせながら再生します。移築する場所の風土や生活様式に合わせて、間取りや仕様を変更することも可能です。

古材再生

古材再生とは、古民家からまだ使える古材や古道具などを回収して、新しい住まいに取り入れる方法です。リフォームやリノベーションの材料として取り入れることで、一般的な中古の戸建て住宅やマンションなどでも、古民家の要素をプラスできます。もちろん新築住宅の一部として、古材を取り入れることも可能です。

■古民家リノベーションのメリットや魅力

・メリット1:古き良き日本家屋を活かした家づくり

古民家リノベーションの一つ目のメリットは、古き良き日本家屋の趣や雰囲気を取り入れた家づくりができる点です。伝統的な建築様式、今はなかなか手に入りにくい貴重な建材などの特徴を活かしながら、最新の水回り設備や機能的な間取りなどを取り入れることで、古民家リノベーションならではの魅力ある住空間を生み出すことができます。この独特の味わい深さは、一からつくれるものではありません。風情を感じながら、快適に生活したいという方にはとてもおすすめの手法です。

・メリット2:趣深い町並みの保存につながる

古民家リノベーションの二つ目のメリットは、地域の伝統的な建物を活用しながら、歴史ある景観の保存に貢献できることです。その町に住む方は価値を認識していないケースも多いのですが、古民家の建ち並ぶエリアは大自然に囲まれていることも多く、外から見ると非常に魅力的なことも。古民家を含めた町並み自体が、都心や海外から旅行者を呼ぶための、ひとつの環境資源にもなり得ます。古民家を起点とした町づくりをすることで、地域のバリューアップや経済活性化にもつながるかもしれません。

・メリット3:資源保護や材料費抑制につながる

古民家リノベーションの三つ目のメリットは、既存の建物や建材を再利用するため、新たな資源の無駄使いを減らせること。最近は資材も高騰しているため、材料費の節約にも貢献するでしょう。また古民家で使われている柱や梁のなかには、今となってはなかなか手に入らない立派なヒノキやケヤキなども。欄間や格子など、匠の技術あってこその美しい建具が使われていることもあります。古材や古建具をポイント的に使って、個性的な空間づくりを叶えることも可能です。

・メリット4:固定資産税を削減できる

古民家リノベーションの四つ目のメリットは、税金面でお得なこと。土地や建物を所有していると毎年かかる固定資産税は、不動産の評価額によって決められます。そのため築年数が経って資産価値の下がっている古民家は、同じ規模感の新築住宅に比べると支払う固定資産税が少なくてすむのです。建物を解体して更地にすると、建物の固定資産税はなくなりますが、住宅用地の特例が適用されず土地にかかる税金は高くなります。また空き家として放置し続けて「特定空き家」に指定されると固定資産税は大幅に増えてしまうので、きちんと手入れをして活用するのがおすすめです。

■古民家リノベーションのデメリット

・デメリット1:耐震性が低い場合がある

古民家リノベーションの一つ目のデメリットは、現行の耐震基準を満たしていないことです。特にメンテナンスをせずに長く放置されていた古民家は、湿気による腐食やシロアリ被害等で、構造部に深刻な傷みが見られるケースがあります。地盤に問題が起きていたり、家が傾いていたりすると、当然工事費用も高額になります。家の状態や規模によって耐震補強の費用は変わってくるので、まずは耐震診断をしてもらうとよいでしょう。

・デメリット2:断熱性が低い場合がある

古民家リノベーションの二つ目のデメリットが、断熱性能が低く、そのままでは寒いことです。風通しのよい間取りや長い庇(ひさし)などで、電気を使わずに夏の暑さを和らげるように作られてはいますが、風通しがよい分エアコンの効きは悪く、冬の寒さは深刻です。現代の暮らしにマッチさせるには、断熱性能の高い窓に交換したり、床・壁・天井などに断熱材を施工したりと、断熱リフォームに力を入れる必要があるでしょう。

・デメリット3:バリアフリーが考慮されていない場合が多い

古民家リノベーションの三つ目のデメリットが、バリアフリー面です。古民家の特徴の一つが、土間から座敷に上がるところにある大きな段差。すべて同じ床の高さに調整すればいいと思われるかもしれませんが、梁の高さに制限があって叶わないケースもあります。完全なバリアフリー化が難しい場合もあるので注意が必要です。他にも部屋が細切れで小さな段差だらけだったり、水回りが屋外にあったりと、老後の暮らしを考えると住まいの至る所に課題があります。この先ずっと暮らしやすい住まいを実現するには、間取り変更を含めたさまざまなリノベーションが必要になってくるかもしれません。

・デメリット4:工期が長くかかる可能性がある

古民家リノベーションの四つ目のデメリットは、建物の状態によって工期が長くかかることです。工事に時間がかかってしまう理由としては、耐震補強や断熱改修など大掛かりな工事が必要になることも多いからです。また古民家では図面が残っていないことも多く、一般的なリノベーションと比べて事前調査に時間がかかりやすいのも理由の一つといえるでしょう。もし住みはじめたい時期が決まっている場合は、早めに動き出すのがおすすめです。

■古民家リノベーションで検討すべき工事の費用相場

・耐震補強工事

古民家リノベーションで優先したいのが耐震補強工事です。基礎の補強、屋根の軽量化、接合部の金物追加などを、耐震診断の結果に応じて実施します。

耐震補強工事にかかる費用相場は150〜200万円程度です。木耐協のデータによると、築40年以上の住宅の平均費用は189万9,074円。床面積が広くなるほど工事費用も増えるという結果が出ています。

【築40年以上の補強工事平均額】
・1階床面積60㎡未満:130万0,238円
・60〜80㎡未満:200万7,500円
・80㎡以上:253万6,765円
参考:木造住宅耐震診断調査データ

・断熱改修工事

断熱材が一切入っていない無断熱の古民家を、最低限の省エネ基準に上げるためには、350〜600万円ほどの費用が必要です。窓は単板ガラスから複層ガラスの入ったものに交換するか、内窓を設置して二重窓に。床・壁・天井などに断熱材を施工して、屋外から伝わってくる熱や底冷えを防ぎます。必要に応じて、床暖房などを設置する場合もあります。

関連記事:断熱リノベーションの費用は?部位ごとの相場や補助金制度について解説

・外装工事

古民家の屋根や外壁は長年紫外線や雨にさらされており、劣化や雨漏りが見られることも。内部の劣化を防ぐためにも、外壁や屋根の塗装、新しい外壁材への張り替え、屋根の葺き替えなどは優先的に行いましょう。一般的な広さの家の場合、塗装は100万円〜。古民家に合う外壁材は焼き杉・窯業系サイディング・金属系サイディング・塗り壁などがあり、素材によって張り替え費用は異なります。屋根は瓦や金属、スレートなどがよく使われます。

・間取り変更

農村部の古民家で多く見られるのが、和室が縦横に並んだ田の字型の間取り。通り土間や縁側があったり、浴室やトイレは母屋の外に設けられていたりすることも。柱などの主要な構造の位置は変えないまま、水回りへのアクセスをよくしたり広いLDKを作ったりと、現代の暮らしや動線に合わせた間取りへリニューアルすることが多いでしょう。間仕切り壁を撤去・造作する費用は、1ヶ所あたり8〜25万円程度。キッチン・浴室・洗面台・トイレなどの水回りを移動するときは、各20〜100万円程度プラス新しい設備の本体価格がかかります。

関連記事:【人気デザイン】間取り変更リフォーム・リノベーション事例15選!費用や注意点も解説

・水回り設備の交換

古民家の水回りは使いづらく、衛生的に保つのが難しいことも。新しい水回り設備への交換も、優先的に実施したい工事のひとつです。キッチン・浴室・洗面台・トイレの設備を新しいものに交換するリフォーム費用は下記のとおり。場所を移動させる場合は、プラスアルファで配管・配線工事の費用もかかります。また水回り設備のグレードによっても、費用は大きく変わります。

【費用の目安】
・システムキッチンの交換:約50〜150万円
・在来工法→システムバスへの交換:約80〜150万円
・洗面台の交換:約10〜20万円
・和式→洋式トイレの交換:約20〜50万円

関連記事:水回りのリフォームの費用相場はどれくらい?事例や注意点を解説!

・内装工事

古民家では柱や梁などの構造体が露出していることも多く、それを活かした内装の仕上げをするのがポイント。例えば壁を漆喰で仕上げたり、天井を板張りにしたりと、自然素材を使った内装仕上げは古民家にも馴染みやすいでしょう。畳が傷んでいれば、新しい畳やフローリングに交換すると快適です。

・漆喰や珪藻土の塗り壁にする:約12〜20万円
・天井を板張りにする:約15万円〜
・畳を新調する:約1〜4万円/畳
・畳→フローリングに張り替え:約15〜25万円

・バリアフリー改修

昔ながらの住宅のつくりによって、小さなお子様や高齢の方にとっては安全とはいえない部分もあります。段差や滑りやすい部分など、気になる部分があればバリアフリー改修もいっしょに行い、安全な住環境を整備しておくのがおすすめです。

・手すりの設置:約5千~1万円/m
・スロープの設置:約10~20万円
・浴室入口の段差解消:約5~10万円
・玄関土間の高さを上げて段差解消:約20~30万円

関連記事:介護・バリアフリーのリフォーム事例9選!費用相場や補助金も解説

■古民家リノベーションのポイント

古民家リノベーションをしようと思ったとき「キッチンをきれいにしたい」「和室を洋室にしたい」などの表面的な要望が真っ先に思いつくかもしれません。もちろん見た目や使い勝手も大切ですが、目に見えない部分の劣化や安全性を担保する工事が必須です。リノベーション後に想定外の出費が発生しないためにも、次のようなポイントに気をつけましょう。

・ポイント1:構造部分の劣化状態をチェックする

古民家リノベーションでまず重要なのが、構造部分の劣化状態をチェックすることです。例えば床下の水はけが悪く、常に雨水で床下の土台が濡れていると、腐食やシロアリ被害でボロボロになっていることも。家を支える重要な柱や梁が傷んでいて、地震がきたときに倒壊のリスクが高い建物もあります。まずは専門家による劣化調査を受けて、リノベーションで対応できるのか、建て直したほうがよいのか判断してもらいましょう。

・ポイント2:耐震リフォームで安全性を担保する

現代の家はがっちりとした壁をつくり地震の力に耐える「耐震」という考え方。それに対して昔の日本家屋は、ある程度揺れたりズレたりしながら地震の力を受け流す「免震」という考え方で建てえられています。そのため現代の耐震基準に照らし合わせると、まったく適合していないことが多いでしょう。古民家の知識をもった業者に相談して、必要な耐震改修の場所を適切に見極めながら、安心な住まいにしていくことが重要です。

・ポイント3:断熱リフォームで寒さや結露対策をする

古民家暮らしで辛いのが、隙間風や底冷え。暖かい空気を外に逃さない窓や断熱材で、しっかりとした断熱性をもたせれば、かなり住み心地がよくなります。冬にどのくらい現地が寒くなるかによっても必要な断熱リフォームは変わってくるので、地域の風土に詳しいリフォーム会社に相談するのがおすすめです。

・ポイント4:外壁や屋根の劣化状態を見極めて改修する

外壁や屋根は、雨風や紫外線などの影響を受けやすい場所です。雨漏りが発生すると、建物の内部まで傷んでしまうので、きちんと修繕しましょう。古民家リノベーションでは、古民家が持つ味わいを残したい場合も多いので、張り替えやカバー工法を採用する場合は素材選びがとても大切です。

・ポイント5:現代の生活スタイルに合わせて間取りを変える

農村部の古民家の多くが田の字の間取り。普段は襖や障子で区切って使い、冠婚葬祭など大勢で集まるときは間仕切りを外して大きい空間として使っていました。フレキシブルな間取りではありますが、各部屋のプライバシーはあまりないため、家族に合わせた間取りに構築しなおす必要があります。また古民家は庇が深かったり、台所が北側にあったりして暗いのも難点。台所を中心部に移動させる、トップライトを設けるなどして明るい空間づくりをするのもよいでしょう。

・ポイント6:最新の設備で水回りを快適にする

古民家では、水回りにも不便を感じがち。昔ながらの土間台所、床がタイル張りの浴室、和式トイレなどが残っている場合もあります。土間台所やタイル張りの浴室は冷え込みも辛く、掃除も大変。和式トイレは足腰が弱くなったときにとても不便です。システムキッチン、システムバス、洋式トイレなど最新の設備に変更すると、快適度が格段に上がるでしょう。

■古民家再生に利用できる補助金制度の種類

耐震補強や断熱改修などをすると、費用がかさんでしまうことも多い古民家再生。次のような補助金を使えるケースがあるので、うまく活用しながら賢くリノベーションしましょう。

・子育てエコホーム支援事業

工事箇所が多い方におすすめなのが、子育てエコホーム支援事業です。子育てという名称ですが、リフォームやリノベーションの場合は、子供の有無や年齢問わずすべての世帯が使えます。省エネリフォーム(①開口部、②外壁、屋根・天井または床の断熱改修、③エコ住宅設備の設置のいずれか)を実施すると、防災性やバリアフリー改修など幅広いリフォームが補助金の対象に。1戸あたり最大60万円の補助金がもらえますが、中古住宅を購入するのかどうか、長期優良住宅の認定を受けるかどうか、家族構成によっても上限額は変わります。

詳しくは→子育てエコホーム支援事業公式サイト

・先進的窓リノベ2024事業

古民家の窓を断熱化するときにチェックしたい補助金が、先進的窓リノベ2024事業です。内窓設置、外窓交換(はつり工法・カバー工法)、ガラス交換、ドア交換などで開口部の断熱性をアップさせる場合に補助金がもらえます。窓の断熱化はかなりコストパフォーマンスが高いため、冬の寒さが気になる古民家では優先的に行うとよいでしょう。子育てエコホーム支援事業とのワンストップ申請も可能です。

詳しくは→先進的窓リノベ2024事業公式サイト

・給湯省エネ2024事業

子育てエコホーム支援事業・先進的窓リノベ2024事業と同時に実施されているのが、給湯省エネ2024事業です。高効率給湯器(エコキュート・ハイブリッド給湯器・エネファーム)を設置すると、補助金がもらえます。お風呂やキッチンでお湯を使う時のエネルギーは、家庭で消費するエネルギーのうちかなり大きな割合を占めるといわれています。せっかく給湯器を交換するなら、高効率給湯器も検討してみましょう。子育てエコホーム支援事業や先進的窓リノベ2024事業とのワンストップ申請ができ、一番お得になるように支給されます。

詳しくは→給湯省エネ2024事業公式サイト

・介護保険の住宅改修

要支援や要介護の認定を受けた方が住む場合は、介護保険における住宅改修機の支給が受けられることもあります。対象となるのは手すりの取り付け、段差解消、滑りにくい床材への変更、引き戸への交換、和式から洋式トイレへの交換などです。1つの住宅につき工事費20万円を限度に、そのうち1〜3割の自己負担分を引いた分が支給されます。利用したい場合は、担当のケアマネジャーに相談しましょう。

・自治体による助成金

古民家のある地域によっては、自治体独自の補助金が受け取れる場合もあります。例えば耐震補強や断熱改修、バリアフリー、省エネなどに関する補助金が豊富です。また自治体によっては古民家再生に対する補助金が用意されていることもあるので要チェック。古民家リノベーションをするなら、事前にどのような補助金があるのか、地域の自治体窓口やホームページなどで確認しましょう。

■古民家リノベーションを依頼する業者の選び方

古民家リノベーションを成功させるには、依頼する業者選びがとても大切です。次のようなポイントに気をつけながら業者を選んでみてください。

・古民家リノベーションの施工実績は豊富か

古民家リノベーションには、高い技術や知識が必要になります。古民家の施工実績が豊富で、安心して依頼できる業者を選ぶと安心です。古民家の構造などを熟知している業者であれば、安全かつおしゃれなリノベーションプランを提案してもらえるでしょう。

・しっかりとヒアリングをしてくれる業者か

満足度の高い古民家リノベーションを実現するには、要望やニーズを正確に理解して、それに基づいた提案をしてもらう必要があります。業者選びの際は、しっかりとこちらの話に耳を傾けてくれるか、コミュニケーションにストレスを感じないか、人としての相性がよいかなども確認することをおすすめします。

・説明や見積もりがわかりにくくないか

依頼者と業者の間で行き違いが生まれると、後々のトラブルにつながりがち。説明が専門用語ばかりで理解しにくかったり、質問に対して丁寧に回答してくれなかったりする場合は注意が必要です。また見積もりを出してもらうときは、総額だけでなく内容のわかりやすさもチェックするとよいでしょう。

・トラブルの際の保証やアフターサービスをしてくれる業者か

保証やアフターサービスの内容は、会社によってさまざま。定期的に無料点検をしてくれたり、期間内であれば無償で修理してくれたりする会社もあります。業者と契約する前に、保証やアフターサービスの内容や期間も確認しましょう。

・地域の特色を理解しているか

古民家は地域の気候風土や歴史文化とともに育まれてきたもの。魅力を最大限に活かしたリノベーションができるのは、その地域の家づくりの特徴を知り尽くした会社です。地域に根ざした、技術力の高い業者を選ぶのがおすすめです。

■古民家を探すときの注意点

古民家探しは地元の不動産会社に相談するほか、空き家バンクや移住ポータルサイトなどを活用する方法もあります。空き家バンクは自治体が運営しており、空き家を借りたい人と買いたい人をマッチングするサービス。民間団体やNPOが運営する古民家紹介サービスもあります。地元の方と交流をしながら、よい物件がないか聞いてみるのもよいでしょう。

購入する物件を決めるときにポイントになるのが「立地はどうか?」「今の建物の雰囲気が気に入っているか?」など。特に建物の雰囲気が気に入っていて、そのまま活用できる部分が多ければ多いほど、リノベーションの費用を抑えられます。また、同時にチェックしたいのが、建物の劣化具合です。特に構造体や屋根などまとまった工事費がかかりやすい部分のコンディションは、入念にチェックしましょう。ご自身だけで判断するのは難しいので、リノベーションを依頼する施工業者にも相談しながら物件選びを進めるのがおすすめです。

■築古物件のリノベーションの費用相場・事例7選

ここからはグローバルベイスが手がけた、築古物件のリノベーション事例をご紹介します。デザインや費用感など参考にされてください。

・生活スタイルに寄りそうリノベーション事例

生活スタイルに寄りそうリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=195

築年月:昭和47年4月
費用:900万円
施工面積:60.83㎡

予算的に新築は検討されておらず、中古マンションに絞って探されていたU様。築50年超のヴィンテージなマンションを購入して、リノベーションされました。新築ではなかなか見られないような、個性的な間取りにしたのがポイントです。3LDKと細切れの間取りから、広い空間をゆるやかにゾーニングした1LDK+WICに変更。本人たっての希望であった、小上がりの畳スペースや本棚もつくりました。寝室は空間を分けるために、腰壁で区切っています。畳でくつろいだり、デスクで仕事をしたりと、メリハリのある暮らしが叶えられる住まいが完成しました。

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・スタイリッシュなリノベーション事例

スタイリッシュなリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=191

築年月:昭和43年10月
費用:1,460万円
施工面積:57.00㎡

資産としての不動産購入を意識していたC様が購入したのは、中目黒駅から徒歩5分、築50年超の中古マンション。ユナイテッドアローズ社監修のプランで、二人暮らし用としてリノベーションしました。トレンド感がありながら、長年住んでも飽きないようなインテリアスタイルがポイントです。明るいカラーでスタイリッシュにまとめて、築年数が50年を超えているとは思えないような、新築さながらの住まいが完成しました。引っ越してからは愛犬と遊んだり、手の込んだ料理にチャレンジしたりと、好きなことをますます楽しめるようになったそうです。

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・長期的な価値が保たれるリノベーション事例

長期的な価値が保たれるリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=173

築年月:昭和45年11月
費用:2000万円
施工面積:93.51㎡

高輪ゲートウェイ付近の中古マンションをリノベーションした事例です。築50年超の古いマンションですが、歴史がありながら今後の盛り上がりも期待できる高輪という好立地。今後も安心して所有できるマンションといえるのではないでしょうか。さらにユナイテッドアローズ社監修のリノベーションプランを施すことで、長期的な価値が保たれる住まいが完成しました。

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・将来の売却も意識したリノベーション事例

将来の売却も意識したリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=183

築年月:昭和45年8月
費用:880万円
施工面積:48.64㎡

閑静な住宅街にある築50年超のヴィンテージマンションのリノベーション事例。将来的な住み替えも考慮して、ニーズの安定している渋谷駅から徒歩圏内の物件を購入されました。間仕切り壁をなるべく減らして、リビングと寝室の間は光の入るガラス戸に。躯体現しで天井を高くしながら、将来売却するときのことを考えて、個性を出しすぎないスタイルにしました。寝室は白、リビングダイニングはグレー、廊下や玄関はブルーと、色でゾーニングしたのもポイントです。廊下の天井は折り下げ天井にすることで、高低差でリビングがより開放的に見えるようになりました。

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・ヴィンテージな窓枠を活かしたリノベーション事例

ヴィンテージな窓枠を活かしたリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=150

築年月:昭和34年11月
費用:1010万円
施工面積:45.15㎡

築60年を超えた、ヴィンテージマンションのリノベーション事例です。最初に「物件購入額+リノベーション費用」を合計した予算を決めて、そのなかで「広さ40㎡」という条件で探したところ、築古物件という選択肢しかなかったそう。そんななかで古くても建物全体の雰囲気がよく、理想の間取りを叶えるのにぴったりのお部屋が見つかりました。既存の物件についていたヴィンテージ感のある窓枠を再利用して、リビングと寝室の間に室内窓をつくったのがポイント。躯体現しで天井を高くしつつ、白くペイントすることでコンクリートの古さも目立たず仕上がりました。

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・天井現しでワイルドなリノベーション事例

天井現しでワイルドなリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=142

築年月:昭和40年1月
費用:1100万円
施工面積:67.60㎡

必須条件は「代々木界隈」のマンションでしたが、新築では予算オーバー。リノベーション費用を含めても予算内で、なおかつ立地のいい中古マンションが見つかりました。築60年近い物件ですが共用部もきれいで、ドアなども改修されていたため、まったく古さは感じなかったとのこと。リノベーションはニューヨークのSOHOを意識して、間仕切りのない大きなワンルームに。天井現しでコンクリートの無骨な雰囲気を出し、キッチンやトイレなどもスタイリッシュなものを選びました。

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・古いものを活かしたリノベーション事例

古いものを活かしたリノベーション事例
https://www.globalbase.jp/case/detail.php?jid=200

築年月:昭和60年2月
費用:1260万円
施工面積:66.35㎡

古さを感じるものが好きだというご家族。いつか住まいづくりをするときは、古材をつくりたいと思っていたそうです。今回のリノベーションでは、ご実家で使われていた窓を再利用したり、処分予定だった古材やガラスで室内窓をつくったりと、古いものがもつ魅力を最大限に活かすかたちに。天井のコンクリートや床の木材などの素材感とよく合っています。玄関土間は広くとり、リノベーションならではの間取りに。限られた床面積のなかでLDK+子供2人分の個室+主寝室を確保するために、子供部屋にはロフト式のベッドを設計しました。

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■まとめ

古い日本家屋の雰囲気を活かしながら、現代の住まいの快適性や機能性を取り入れられる古民家リノベーション。耐震や断熱対策、間取りの見直しなどが必要になるので、古民家についての知識と経験が豊富な業者を探すのがおすすめです。残せるものは大切に残しながら、安全で快適なリノベーションを叶えましょう。

編集者: 村田日菜子

みなさんの豊かな暮らしと住まいづくりをサポートしたい!建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

監修者:原田 直生之
宅地建物取引士の有資格者。

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