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ライフステージ別のおすすめのマンション間取りとは?間取り図の読み方やチェックポイント

新築マンションや中古マンションを購入するとき、立地条件以外にも間取りなど重要な点があります。では、マンションの間取り図は、どこに注意してチェックしたらよいのでしょうか。家族構成やライフスタイルなどによって、間取りには向き・不向きがあります。

マンションの間取り図の読み方やライフステージ別のおすすめの間取りを紹介したうえで、工夫のあるリノベーションの間取りの事例を紹介していきます。

それぞれの個室を確保した4LDK+書斎の間取り図
こんな方におすすめの記事です
  • 間取り図の読み方を知りたい方
  • ライフステージ別のおすすめの間取りを知りたい方
  • 理想の間取りにリノベーションした事例を

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CONTENTS

■マンションの間取り図の基本的な読み方

マンションを実際に現地まで見に行かなくても、間取り図からわかる情報もあります。間取り図から読みとれることと、間取り図に使われる「WIC」や「PS」といった略語についてみていきます。

・間取り図から読みとれる情報

マンションの間取り図からは、方位、部屋のタイプ、部屋の配置や広さ、収納の配置、扉や窓の位置、洗濯機や冷蔵庫を置く場所などを読み取ることができます。

方位はNのマークがある側が北、反対側が南になります。

「2DK」や「3LDK」といった部屋タイプが記載されている場合、たとえば「3LDK」はLDKと3つの居室がある部屋タイプです。LDKとDKの違いは部屋数によって広さの基準が異なります

不動産公正取引協議会連合会が設けている基準では、居室が1部屋の場合は、広さが4.5平米以上8平米未満はDK8平米以上はLDKになります。居室が2部屋以上の場合は、広さが6平米以上10平米未満はDK、10平米以上はLDKです。

また、間取り図には、部屋ごとに「○○畳(帖)」という形で広さが記載されています。不動産公正取引協議会連合会が設けている基準では、1畳は1.62平米です

洗濯パンと蛇口、コンセントを備えた洗濯機置き場や、高い位置にコンセント備えた冷蔵庫置き場も、間取り図に記載されています。

参考:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
https://www.sfkoutori.or.jp/jireikoukoku/tokuteiyougo-shiyokijun/

・押さえておきたい間取り図の基本的な呼称(略語)

マンションの間取り図を見るときに知っておきたい基本的な呼称(略語)をまとめました。

略語 部屋の呼称 意味など
L リビングルーム 居間
D ダイニングルーム 食事室
K キッチン 台所
CL クローゼット 衣類収納
WIC ウォークインクローゼット 歩いて入れる広さの衣類収納
WTC ウォークスルークロゼット 2つの出入り口があり、歩いて通り抜けできる衣類収納
SIC シューズインクローク 土足で入れる靴などの収納
N 納戸 収納のための小部屋(建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないため、居室として扱えない部屋に用いることもある)
S サービスルーム 建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないため、居室として扱えない部屋
DEN 書斎 仕事や趣味のための多目的な小部屋(建築基準法上の採光や換気の基準を満たしていないため、居室として扱えない部屋に用いることもある)
SK スロップシンク バルコニーなどに設置される深めの流し
UB ユニットバス 工場で製造された天井・床・壁・浴槽などのユニットを現場で組み立てる浴室
PS パイプスペース 給水管や排水管、ガス管などが通っているスペース
MB メーターボックス 電気やガス、水道のメーターを格納するスペース

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■【ライフステージ別】マンションのおすすめの間取り

暮らしやすい間取りはライフステージによって異なります。マンションのおすすめの間取りについて、DINKSとファミリーに分けて紹介していきます。

・DINKS

DINKSの間取りは、それぞれの個室を必要とするかどうかが大きなポイントになります。2人の起床時間や帰宅時間などの生活時間帯、家で仕事をするかどうかといった点も考慮するべき点です。

◇寝室は共有で収納量を確保した【1LDK】

寝室は共有で収納量を確保した【1LDK】

2人の生活時間帯が同じで、それぞれの個室を必要としない場合には、1LDKの間取りが向いています。こちらの間取りでは、ウォークインクローゼットを広くとって収納を確保。LDKと寝室は引き戸で緩やかにつながっています。

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◇寝室は共有で仕事部屋のある【2LDK】

寝室は共有で仕事部屋のある【2LDK】

寝室を共有するケースでも、家で仕事をすることが多い場合は、仕事部屋を設けた2LDKの間取りが向いています。LDKを食事やくつろいで過ごすための空間に絞って使えます。

この間取りではLDKを挟んで2部屋設けられていますが、引き戸で仕切られた5.9畳の部屋はLDKの気配を感じやすく、ドアを設けた5畳の部屋の方が独立性が高いです。5.9畳の部屋を仕事部屋とすると、LDKの気配を感じながら仕事をするスペースとなり、5畳の部屋は静かで落ち着いて過ごしやすい寝室になります。

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◇それぞれが個室を持つ【2LDK】

それぞれが個室を持つ【2LDK】

夫婦で生活時間帯が異なる場合やプライベートな空間が欲しい場合には、それぞれが個室を持つ2LDKの間取りが向いています。

この間取りでは2部屋が並んでいますが、1部屋は玄関の近くのホールから、もう1部屋はLDKから出入りをする形です。ホールから出入りする部屋の方が、独立性は高いです。ただし、調理や片づけ、洗濯などの家事を担うのであれば、リビングから出入りする部屋の方が生活動線が短くて便利という面もあります。

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・ファミリー

ファミリー向けの間取りは子どもの人数だけではなく、年齢や子ども部屋の考え方によっても、向いている間取りに違いがあります。

◇LDKに隣接するキッズルームのある【2LDK】

LDKに隣接するキッズルームのある【2LDK】

夫婦と小さな子どもがいる家族に向いた2LDKの間取りです。1部屋を寝室として使い、LDKに隣接したもう1部屋はキッズルーム(子ども部屋)として用います。子どもが小さいうちは独立した子ども部屋は必要ないため、複数人の子どもがいても1部屋で対応できます。

この間取りはキッチンからキッズルームに目が届くため、調理や片づけをしながら子どもの様子が見れるので安心です。

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◇小さな子どものいるファミリー向きの引き戸で仕切る【2LDK】

小さな子どものいるファミリー向きの引き戸で仕切る【2LDK】

こちらも小さな子どものいるファミリーに向いた2LDKの間取りです。LDKと2部屋がいずれも引き戸で緩やかに仕切られているため、気配を感じやすく、子どもを見守りやすいのが特徴です。

たとえば、「キッズルームと寝室」「キッズルーム兼寝室と仕事部屋」といった形で、2部屋を使うことができます。

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◇夫婦+子ども1人のファミリーの独立性の高い【2LDK】

夫婦+子ども1人のファミリーの独立性の高い【2LDK】

夫婦と小学生以上の子ども1人のファミリーに向いた2LDKの間取りです。LDKの廊下スペースを挟んで独立した部屋が2部屋あり、6畳の部屋を夫婦の寝室、4.5畳を子ども部屋として使えます。

LDKからの独立性がありながらも、寝室と子ども部屋の出入り口が隣接しているため、夜中に目覚めたときや何かあったときに、声を掛けやすいという安心感があります。

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◇子どもがリビングを通る間取り①【3LDK】

子どもがリビングを通る間取り①【3LDK】

子どもが2~3人いるファミリーに向いた3LDKの間取りです。廊下に面して1部屋、LDKを挟んで2部屋が設けられています。LDKに隣接する2部屋にはLDKを通らなければ行かれないため、自然にコミュニケーションをとる機会が生まれます。また、小学校高学年や中高生になって、親が気づかない間にいつの間にか子どもが出かけているといった事態も防ぎやすいです。

この間取りではLDKを挟んで5.1畳と6.6畳の部屋があるため、2人の子ども部屋にするほか、3人兄弟でも対応できます。同性の子ども2人で6.6畳の部屋を使い、残り1人が5.1畳の部屋を使うといった方法です。

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◇子どもがリビングを通る間取り②【3LDK】

子どもがリビングを通る間取り②【3LDK】

こちらも子どものいるファミリーに向いた、リビングを通って子ども部屋に入る3LDKの間取りです。先ほどとは異なり、LDKに隣接する部屋が2つ並んでいる形です。片方は窓のない部屋となってしまいますが、やや広く部屋とられています。

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◇子ども部屋の独立性が高い【3LDK】

子ども部屋の独立性が高い【3LDK】

ファミリーに向いた独立性の高い子ども部屋のある3LDKの間取りです。1人で勉強ができる年齢の子どもがいて、落ち着いて学習に取り組みたいケースなどに向いています。

LDKに隣接する部屋は9畳もの広さがあり、ウォークインクローゼットも併設されているため、夫婦の寝室として使えます。子ども部屋は玄関から入ってすぐの廊下にあるため、LDKの喧騒から離れて静かに過ごすことが可能です。

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◇来客時に便利な和室のある【4LDK】

来客時に便利な和室のある【4LDK】

来客の多いファミリーに向いた和室のある4LDKの間取りです。和室はホームパーティーをするときにLDKと一体化して使ったり、あるいはゲストルームとして活用したりすることが可能。子どもが小さいうちは、日頃はキッズルームとして使うこともできます。

また、玄関から近くの廊下に面して設けられた3部屋は、LDKと離れていて独立性が高く、落ち着いて過ごしやすいです。

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■マンションの間取り図のチェックポイント

購入を検討するマンションを間取り図から絞りこむときに、チェックしたいポイントをまとめました。

・住戸の方角

住戸の方角はライフスタイルによって、向き・不向きや重要性の度合いが変わります。日当たりが最もよい方角は南向きです。東向きは朝日が差し込むため、朝、洗濯物を干すと乾きやすく、反対に西向きは午後の日当たりがよいため、朝ゆっくりと起床する人に向いています。また、共働きの世帯など、日中は家にいないことが多ければ、方角はさほど重要視しないことも考えられます。

・部屋の数や広さ

部屋数は家族構成だけではなく、夫婦の寝室が同室でよいのか、仕事部屋が必要か、あるいは将来のために子ども部屋を用意しておくのかといった点も踏まえて、必要な部屋数が確保できるかチェックします。

また、部屋の広さが用途と合っているかも確認するべきポイントです。たとえば、夫婦と子ども2人の4人家族で3LDKの間取りの場合、3部屋の広さが「8畳・5畳・5畳」であれば、主寝室と子ども部屋として使いやすいです。しかし、「6畳・6畳・6畳」では、主寝室と子ども部屋として使うには、部屋の広さのバランスが合わないことが考えられます。

・窓、扉の位置、開き勝手

マンションでは、襖や引き戸で仕切った窓のない部屋が生じることがあるため、部屋の数だけではなく、窓の有無もチェックするべきポイントです。

また、腰窓の前は低い家具しか置けず、掃き出し窓や扉の前は家具を置くことができません。また、開き戸(ドア)は内開きか外開きか、吊元はどちらかといった点も、家具のレイアウトを考えるうえで必要です。

・家具のレイアウトのしやすさ

部屋の形状、窓や扉の位置、開き勝手などを踏まえて、設置しようと思っている家具や家電を置くことができるか、図面に書き入れてみます。洗濯機置き場や冷蔵庫置き場のほか、食器棚の設置スペースを確認するとともに、ダイニングセットやソファ、机、ベッドなどが置けるかチェックしましょう。

・居室の独立性

居室は用途によって、独立性が高い方が向いているケースと低い方が向いているケースがあります。たとえば、リビングから廊下を介した部屋は独立性が高く、リビングと引き戸でつながっている部屋は独立性が低いといえます。部屋数や広さだけではなく、間取り図から、居室の独立性を確認し、用途にあった割り振りができるか検討します。

・生活動線

生活動線の考え方はライフスタイルによって異なります。食事の準備や片づけをしながら洗濯をするのであれば、キッチンと洗濯機置き場が近いと、利便性が高いです。また、大量の買い置きをすることが多い場合は、玄関から近い位置に納戸などストックルームとして使える場所があると便利です。頻繁に使う動線が、短くシンプルな方が暮らしやすくなります。

・収納

マンションの場合は、一般的に床面積に対する収納の割合を示す収納率が、8~10%あると適正とされています。

しかし、実際のところでは家族構成でも変わりますし、キャンプなどのアウトドアを趣味としていると、広い収納スペースが必要です。収納したいものをしまう場所があるか、確認することが大切です。

また、リビングで使うものはリビング、子ども部屋で使うものは子ども部屋といったように、ものを使う場所の近くに収納があると片づけやすくなります。

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■間取りを工夫した理想的なリノベーション事例

中古マンションを購入してリノベーションすれば、家族構成やライフスタイルに合った間取りに変えることができます。間取りに工夫のあるリノベーション事例を紹介していきます。

・<DINKS>1LDKでもそれぞれのワークスペースを確保

<DINKS>1LDKでもそれぞれのワークスペースを確保

【間取り図】

1LDKでもそれぞれのワークスペースを確保の間取り図

夫婦ともに在宅勤務をする場合、それぞれが個室を持つ2LDKの間取りが理想的ではあります。しかし、無理に部屋数を多くしようとすると、LDKが狭くなってしまい、くつろいで過ごしにくくなってしまうこともあります。

そこで、こちらの事例では1LDKの間取りにして、LDKに奥様のワークスペースを設置。納戸はビデオ会議もあるご主人様のワークスペースを兼ねています。

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・<DINKS>独立性が高い回遊できる寝室のある1LDK

<DINKS>独立性が高い回遊できる寝室のある1LDK

【間取り図】

独立性が高い回遊できる寝室のある1LDKの間取り図

こちらは1LDKの間取りで、寝室の独立性が高くプライバシーが守られ、回遊できるのが特徴的です。

寝室は玄関とつながる廊下から少し奥まったところに出入り口があり、LDKとの間に洗面脱衣室と浴室を挟んでいるなど、独立性の高い空間となっています。また、寝室は洗面脱衣室からの出入りも可能で、廊下から回遊することもできます。

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・<DINKS>土間とつながるDENを設けた1LDK

<DINKS>土間とつながるDENを設けた1LDK

【間取り図】

土間とつながるDENを設けた1LDKの間取り

こちらは、玄関からつながる土間にDENを設けた1LDKのDINKSの住まい。DENはLDKに近い場所に設けられることが多いですが、玄関側に設けたことで独立性が高く、LDKの喧騒が伝わりにくいため、仕事に取り組みやすい空間となっています。

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・<ファミリー>隠れ家のようなスペースを設けた2LDK+S

<ファミリー>隠れ家のようなスペースを設けた2LDK+S

【間取り図】

隠れ家のようなスペースを設けた2LDK+Sの間取り図

LDKにサービスルームとしてフリースペースを設けたファミリー向けの住まい。フリースペースはワークスペースやキッズルームとして活用することができます。おこもり感があるので、大人なら隠れ家的な雰囲気を楽しめ、子どもにとっては秘密基地のようなワクワクする空間になりそうです。

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・<ファミリー>可変性を残したゆとりある3LDK

<ファミリー>可変性を残したゆとりある3LDK

【間取り図】

可変性を残したゆとりある3LDKの間取り図

夫婦と7歳・4歳・2歳の3人の子どもが暮らす3LDKの住まい。専有面積が120平米以上あるため、間取りにゆとりがあります。3つの部屋は寝室、書斎、子ども部屋として使われています。今は個室が必要な年齢ではありませんが、LDKには出入り口が2箇所あり、将来的に仕切ってもう1部屋作れるようになっています。

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・<ファミリー>それぞれの個室を確保した4LDK+書斎

<ファミリー>それぞれの個室を確保した4LDK+書斎

【間取り図】

それぞれの個室を確保した4LDK+書斎の間取り図

夫婦と高校生の長男の3人家族の住まいで、それぞれの個室と独立した長女などのためのゲストルーム、さらに書斎が設けられました。

4畳の2部屋はクローゼットを背中合わせで設けることで、音が伝わりにくくなっています。書斎は2畳ですが、壁一面に棚が設けられ、反対側は造作でテーブルを設置するなど、空間を効率よく使っています。

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マンションの間取り変更を伴うリノベーション事例は、以下で詳しく紹介しています。
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■まとめ

マンションを購入する際には内見をして実物を確認することが大切ですが、間取り図からわかる情報もあります。ただし、新築マンションはよくある間取りパターンが決まっているなど、オーソドックスな間取りが多く、ライフスタイルに合うとは限りません。リノベーションを前提に中古マンションを購入すると、理想の間取りの住まいを手に入れやすくなります。

編集者: u-room

メーカー勤務のかたわらインテリアスクールに通い、インテリアコーディネーターに転身した経歴を持つ。現在はフリーランスのライターとして、住宅関係のほか、求人広告やインタビュー取材などの執筆を手掛ける。インテリアコーディネーター資格を保有。ワインとビール、インテリアショップ&美術館巡りが好き。夫と2人の息子の4人家族。

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